新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

再度“「音読・暗記・暗唱」を繰り返して英文法を克服しよう”を:

2022-11-01 08:19:35 | コラム
“「音読・暗記・暗唱」を繰り返して英文法を克服しよう”の改訂版:

先日公表した、この私の独自の英文法と英語の勉強法については、少し加筆訂正したい点があったので、敢えて再度採り上げる次第。

産経新聞が「シンデレラスマイル」と表記した:

 先ず強調しておくことは「如何なる国の言語でも最初に文法があって、後から話し方や書き方をそれに合わせて創り上げたものではない」という点である。我々日本人は最初に日本語の文法を教えられてから、それに従って話せるようになった訳ではあるまい。

 私はこれまでに繰り返して「覚えるだけでも面倒な英文法を音読・暗記・暗唱で何とか克服した」と述べてきた。私は英文法とは「生き物である言葉を後から追いかけて、何とか規則を見つけ出して理屈っぽく科学のようにして解り難くした」と理解している。

その何の事かが解りにくい英文法を何とか自分の物にできた手法が、それこそ何方にとっても“believe it or not”かもしれない、中学校の1年からの英語の教科書を繰り返し繰り返して、意味が解るようになり、切るべき所で切れるようになるまでの「音読・暗記・暗唱」だったのだ。英語の勉強については確かにGHQの秘書の方に「話し方」即ち、自分が思うことをどうやって言えるようにするかを教えられた。学校での勉強はそれとほぼ同時に進行していた。

自慢話だと取られる危険性があるが、私はこの教科書の音読・暗記・暗唱方式で、中学から大学卒業までの英語の試験で90点を切ったことは2度しかなかった。また、大学1年から家庭教師として英語を「音読・暗記・暗唱」で指導した男児は高校を卒業するまで英語の成績はオール5だった。僅か一例ではないかと言われそうだが、我が国の英語教育法よりも実際に効果があったと信じている。

「繰り返して音読し暗記する暗唱する事の何処が良いのかと言えば、その間に自然に正しい文法の形が自分の声であっても耳から入り頭脳にも回って記憶されるのだ。そこで、「英語で何か書く場合でも、話そうとする場合にも、文法的に誤りであるか不正確な表現(言葉か熟語等)は出てこなくなる」のである。その間に学校の授業文法を教えられ、その文法が後から追いかける形で「なるほど。ここにはそういう原理・原則があったのか」と理解できたのだ。

 ここまでで「先に文法があった訳ではない」と証明できただろうと思う。そこで趣を変えてアメリカ独特の冗談を紹介しよう。未だ野球が存在しなかった頃に、野球をあの覚えにくい細かい規則まで考え出した人がいたのだそうだ。その人物はスポーツ界の権威者にプリゼンテーションをして「こういう競技を広く普及させましょう」と訴えたのだそうだ。すると権威者が「そんな面倒な規則でがんじがらめにされた競技が受け入れられる訳がない」とにべもなく却下したという話だ。

現在、アメリカでも我が国でも野球はあれほど広く普及しているが、楽しげに野球をやっている子供たちは最初に野球のルールを教えられてから始めることはないだろう。誰にでも「キャッチボール」(このような英語はなくて“Let’s play catch.“のように言う)などは出来る。プロ野球の選手でも細大漏らさずあの細かいルールを完全に覚えていない選手だっていると聞いている。

今では小学校の児童までに英語を教え始めているようだが、小難しい文法や理論を優先的に教えてしまえば、児童や生徒たちに「英語嫌い」を早期に養成してしまう結果になるのではないのかと私は本気で心配している。

 話を「シンデレラスマイル」に戻そう。これを英語にしてみれば、“Cinderella smile”となって「シンデレラが微笑む」の意味になってしまうので、英語本来の“smiling Cinderella”の「微笑みのシンデレラ」とは意味が違ってしまう。しかもシンデレラを主語にしてしまったのだから、smileの後に「3人称単数現在の“s”」を付けねばならないのだ。私の中学の頃には「3単現のs」として教えられた。

「音読・暗記・暗唱」が徹底されていれば、何も意識しなくても、この“3単現のs”が自然に口から出てくるようになっていたはずだ。産経新聞ともあろう会社が、この文法の大原則を忘れたカタカナ表記をしたのは非常に遺憾に思った次第。

ここで問題にしたいことは「動詞に“ing”を付けた進行形を形容詞に使った語法」で“smiling”が出てきている点だ。他の例を挙げてみれば「流れ星」という意味の“shooting star”なんていうのが浮かんできた。未だ未だあるので、He is a walking encyclopedia(dictionary.)と言えば「彼は生き字引のように物知りだ」となるが、walk dictionary では文法的にも誤りで意味を為さなくなるとご承知願いたい。

 また、“running expenses”は「経常費」の事で、ここでも進行形でなければならない。維持費は“operating cost”であるが“running cost”でも宜しいとなっている説もあるようだ。

 結びに強調しておきたいことは「言葉が先にあって、後追いで出てきた文法の枠に縛られる前に、何とかして多くの例文を音読・暗記・暗唱を重ねて覚える事を優先しましょう。理屈はその後から追いかけても間に合った先例がここにあります」なのだ。多くの表現を収めた小引き出しを沢山持っていれば、表現力が豊かになるのだ。特に慣用句などは理屈を忘れて覚えておくしかないと考えている。

これまでに紹介した中学1年からの教科書の「音読・暗記・暗唱」を繰り返して、「英語そのものを自分の物にした成功例」には何度か出会っているのだ。誤解なきよう申し上げておきたいことは「これは決して文法を無視した勉強法ではなく、学校の英語教育で教えられる文法には真剣に取り組まねばならないのである」という点だ。

これまでに繰り返して述べてきた重要なことは「上智大学で千葉勉教授に『文法の誤りを犯すことは無教養であると看做される』こと」なのである。この事はアメリカの大手企業の社会に入ってから「将にその通りだった」と痛感させられた。誰しもがそのような次元に達した英語を話すようになる必要はないと思うが、「単語を並べたら何とか通じた」というような領域を目指してはならないと思う、英語を母国語する人たちと意思の疎通を図ろうと思うのならば。

繰り返して言うと「言葉が先にあって、文法という理論乃至は科学は後から追いかけてきたのであること」である。

なお、「シンデレラスマイル」と表記した産経新聞の記事が出たのは、2019年8月6日である、念の為。UKのオープンで優勝した渋野日向子さんのことだった。