“石破茂は「玉木減税」を潰す気なのか”と:
本14日の昼前に、何気なくこのテレビ東京の「東京ホンマモン教室」という番組にチャンネルを合わせた。藤井聡京都大学教授は何時も何ものを批判も非難も怖れずにズバリと言われるので、今回も上記のような興味を持たせる題名に惹かれて聞き入っていた。
内容は将にこの通りで、藤井教授は「鈴木俊一政調会長と加藤勝信財務大臣が『プライマリーバランス(=財政的収支)を守っていく為には7~8兆円の財源を失うことは出来ない』と異口同音に言われたのは、石破首相の減税はしないとの強固な意思表示を示している事に他ならない」と、彼独特の聞き慣れた関西弁でまくし立てられた。即ち、減税せよと要求する玉木潰しだと言うのだ。
教授は更に「もしも何か減税をするのならば、他のところで増税して帳尻を合わせるだろうから、103万円の壁を引き上げても余り意味がない。また石破首相が令和7年の予算審議に入れると言っていることは、「譬え引き上げが決まっても、8年度からのことだから、実質的には減税はしないと言っているに等しい」と手厳しかった。
話はトランプ次期大統領の関税増税政策に飛ぶが、トランプ氏は関税増税分の増収を財源として景気振興策やお得意のジャブ(雇用と訳すのは誤り)増加策に充てる意図があるとも解釈しているので、103万円の壁を引き上げる為には強力な代替の財源が必要になるのだと私にも解る。石破内閣には変えるべき財源が確保できていない模様だ。
要するに「プライマリーバランスを守ると言う以上、減税はしない」のだそうで「玉木雄一郎氏には頑張って貰わねばならない」とも言われた。また、玉木氏が178円を譲る気はないと主張しているのに「123万円を提示させて頂きました、何処にグリーがあるのか見えない」と表明された宮沢洋一自民党税制調査会長の言動も皮肉っておられた。私が考えても「グリーンは178万円では」と見えるのだから。
藤井教授は「このまま何らの手を打たずにいれば、我が国はアジアでも経済小国に陥ってしまう。トランプ前大統領は500億ドルの財政出動をしてアメリカの景気を立て直し、バイデン大統領ですら追随した点を考えよ」ときついことまで言われた。聞いている方は、果たして教授の主張が適確か否かの判断など出来ないが、聞いている分には痛快で面白いのは間違いない。
このような批判と言うべきか、苦言とも聞こえるような提案が、建設的な意見具申なのか否かは、浅学非才の当方には解る訳もない。だが、石破首相の耳に届けば、何らかの形で政策に影響を与えるのかもしれない気もする。藤井教授は「プライマリーバランスを重要視して小さく纏まっていては、我が国の現在の衰退気味の流れが好転しない」と強調していたのだろ解釈した。