マスコミ報道は不親切で不正確では:
昨14日だったか、時事通信が、
「トランプ次期米大統領は13日のSNSへの投稿で、サマータイム(夏時間)制度の廃止を提唱した。夏時間は不便で、国家にとって非常に大きな負担だ」と理由を説明した。夏時間は北米や欧州などで採用されている。」
と報じていた。
ニュースとしてはそれで良いのかも知れないが、英語に一家言ある当方に言わせれば、不正確な記述なのである。アメリカ人であるドナルド・トランプ次期大統領が“summer time”という表現を使わないだろうと思うから。
アメリカでは夏時間を“Daylight saving time=DSTと言うのが一般的だ。故に、アメリカでSummer timeと聞けば、ジョージ・ガーシュインのオペラ“Porgy & Bess“の中の一曲の題名だと思われてしまうのではないかな。
この「夏時間」をUnited Kingdomでは“British summer time“と呼んでいる。だからと言うか何と言うべきか、何事でもUK式の表現を優先する傾向がある我が国では「イギリスではBritish summer timeだから、それに倣おう」と考えたのではないかと疑っている。
King’s Englishを尊敬する傾向は、例えば厚生労働省を“Ministry of Health, Labour and Welfare“と表記しているのを見ても明らかだ。今、Labourと綴っただけでwordは赤のアンダーラインを引いた。と言うのは、アメリカ語ではlaborなのだから。厚生労働省は安保条約で保護して下さるはずの同盟国の綴りを蔑ろにしたのではないか。
マスコミに告げたいことは「アメリカ系と英連合王国系では表現が異なることや、綴りも違っていることをキチンと報じる方が宜しくはないのか。LabourとLaborの違いくらいは解説して、我が国の人々の英語力向上に貢献しようとは考えないのか」と問いかけてみたい。