新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月15日 その2 トランプ次期大統領は「サマータイムを廃止する」と

2024-12-15 10:45:13 | コラム
マスコミ報道は不親切で不正確では:

昨14日だったか、時事通信が、

「トランプ次期米大統領は13日のSNSへの投稿で、サマータイム(夏時間)制度の廃止を提唱した。夏時間は不便で、国家にとって非常に大きな負担だ」と理由を説明した。夏時間は北米や欧州などで採用されている。」

と報じていた。

ニュースとしてはそれで良いのかも知れないが、英語に一家言ある当方に言わせれば、不正確な記述なのである。アメリカ人であるドナルド・トランプ次期大統領が“summer time”という表現を使わないだろうと思うから。

アメリカでは夏時間を“Daylight saving time=DSTと言うのが一般的だ。故に、アメリカでSummer timeと聞けば、ジョージ・ガーシュインのオペラ“Porgy & Bess“の中の一曲の題名だと思われてしまうのではないかな。

この「夏時間」をUnited Kingdomでは“British summer time“と呼んでいる。だからと言うか何と言うべきか、何事でもUK式の表現を優先する傾向がある我が国では「イギリスではBritish summer timeだから、それに倣おう」と考えたのではないかと疑っている。

King’s Englishを尊敬する傾向は、例えば厚生労働省を“Ministry of Health, Labour and Welfare“と表記しているのを見ても明らかだ。今、Labourと綴っただけでwordは赤のアンダーラインを引いた。と言うのは、アメリカ語ではlaborなのだから。厚生労働省は安保条約で保護して下さるはずの同盟国の綴りを蔑ろにしたのではないか。

マスコミに告げたいことは「アメリカ系と英連合王国系では表現が異なることや、綴りも違っていることをキチンと報じる方が宜しくはないのか。LabourとLaborの違いくらいは解説して、我が国の人々の英語力向上に貢献しようとは考えないのか」と問いかけてみたい。

アメリカと韓国の状勢について私見を

2024-12-15 07:26:56 | コラム
私が見るアメリカと韓国の状勢:

アメリカは「分断」されたのか:
産経新聞社の「新聞に喝」の欄で、早稲田大学の岡本隆司教授が故阿川尚之氏の言を引用して「アメリカが二つに分断されているとマスコミが報道するのはおかしい」と指摘しておられた。「二つに分かれているのではない」と言われるので、私もその通りだと思う。

長年アメリカを代表するとまでは言わないが、紙パルプ・林産物産業界の最大の会社に勤務していた経験から言ってきたことは「アメリカとは多くの階層に別れている国であり、その各階層間の人の移動は全くと言って良いほどあり得ないほど別れた状態である」と述べてきた。

その細分化された階層は、人によって見方が変わってくると思うが、私の体験に基づいた分類では、

「支配階級」即ち、富裕にして大学院等の高等教育を受けた知的水準が高い者たちが属する階層で、政治・経済を支配している。私が受けた印象ではアメリカの人口の5%にも満たない極少数派、

「中間階級」と言っても良い「企業社会で実務を担当していても、その地位(rank)から上昇することはない.主に州立大学の4年制の出身者の層で能力が高い人が中小企業に多い。此処で経験を積んで実力を付ければ、大手への転進も可能、

「下層」と呼んでも良いと思う高等教育を経ておらず、中小企業の小の部類に働く人たちの層で、ここからのより高い層への移動はないと思う、

「プーアホワイト」などと言う呼ばれ方がある堂々組合にも所属しない貧困の人たちの層、

「労働者階層」でトランプ氏が“working class“と呼んだ、職能別労働組合員の層で数は多いと思う。この組合は会社側とは別個の法律で保護されて階層で、ここから同じ会社のサラリー制の側に移動することは極めて希なのだ、

「アフリカ系アメリカ人」=African Americanのことである。この説明に多言は要らない。余談になるが、22年半の勤務の間に彼等と膝つき合わせて語り合う機会は訪れなかった。

「少数民族」=minorityと言う合法的移民が主体である階層で、今や白人の数を凌駕する勢いで増加していると言って誤りではない階層。ヒスパニック、中国系、韓国系、インド系、イスラーム系等々が入ってくると思う、

という具合で七つの層に分けられている、ではなかった、別れていて、その各層の間の移動もこれまた極めて希なのだと認識している。マスコミは何故アメリカとはこういう国だと報じないのだろうか。この状態を外から見て「差別社会」と言うのだろう。強いて言えば、分断ではなくて、選挙の為にこれらの層の内部で、トランプ氏支持派と民主党支持派に別れただけなのかも知れない。

韓国の尹大統領弾劾が成立:
何処かの局のニュースで、国会議事堂前に10数万人も集まって「尹大統領弾劾」を叫んでいた人たちの中から、弾劾が成立したと聞いて喜ぶ1人をインタビューしていた。彼に「これで韓国の民主主義が機能していると証明された」と言わせたかったかのよう。確かに民主主義の大原則である多数決で弾劾されたのだった。

だが、弾劾が成り立って歓喜している人たちの総数は、あの場に集まっていただけではあるまい。私が言いたいことは、尹大統領を退陣させて喜ぶという事は、次に「共に民主党」から選ばれる大統領が李在明氏とは限らないのだろうが、何れにせよ「親北朝鮮派」になるのだろうという事。即ち、あの人たちはDPRKを歓迎しているようにしか見えない。もしかして、二択でそこを目指しているのだろうか。

本当にそうなのだろうか。前回、朴槿恵大統領を弾劾した時の興奮をまた味わいたいとばかりに集まったのだろうか。韓国の人たちのあの凄まじい勢いで目的を達成しようという熱量の凄さをあらためて認識できた。