新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

兎角この世には

2023-07-21 08:01:47 | コラム
切りたくなる出来事が多いので:

ビッグモーター:
論外だと思う。だが、マスコミは案外に穏やかで社長が1年間報酬を返上したと伝えた程度で、手厳しく非難も批判もしていない気がする。「こんな会社が7,000億円もの売上高を持っているのも驚きだが、存続させて良いものか。いや、宜しくない」とすら感じているのに。何処かの新聞が「社長が報酬を返上すればその分が利益になってしまう」などと報じていた。

嘗て「雲助」という批判に使う言葉があったが、これが適用されても不思議ではないと思う乱脈ぶりだ。マスコミのあの様子を見ていると、つい昨日まであれほど頻繁に佐藤某を使ってCMを打って頂けていたのでは、無闇に責められないと遠慮しているのかと疑いたくなる。自動車業界というか中古車販売業界については全く何も知らないが、あれほどの非道さをあの程度の報道の仕方でお茶を濁す気なのかな。

中国が我が国から食品の輸入を実質的に中止:
あの福島の処理水の処分を未だ開始してもいないにも拘わらず、あの中国のやり方である。中国で料理店を営む店主が「港に留め置かれた魚が駄目になって廃棄しなければ」と嘆いた程度の報じ方だ。何かに遠慮したか忖度したのか。例によって官房長官がモガモガ言っていたが、あんな程度の反抗では中国は毛ほどにも感じないだろう。これと言い、ロシアの黒海の港封鎖と言い、この2カ国は御しがたいのだ。

何も中国だけに限ったことではないが、処理水の海中への放出に対して何のかの言う国に対しては「モガモガ」ではなく、閣僚か然るべき所管官庁の役職者が完璧なデータを持参して「人畜無害である。無駄な異を唱えないで欲しい。貴国でも処理水を放出しているではないか」くらいのことを真正面から申し入れて、四の五の言わせないようにすれば良いじゃないか。そう言いに行って、我が国が何かを失うのだろうか。そんなことはないと思うが。

村上宗隆はマイバッハを運転手付きで:
グッと身近な話題に落とそう。ここ数日の間、ヤクルトか菅野智之を滅多打ちして1回だけで6点を取った場面をYouTubeで繰り返して見る機会があった。その中では今シーズンのヤクルトの不振の責任を一手で負っている感が濃厚な村上がレフト方向にホームランを打って「もしかして復調?」と思わせていた。ずっと彼の不振ぶりを観察してきたが、あのホームランにはそれまでの無用な力みが消えて「兆し」は見えてきたかの感があった。

ところが、昨日発売の週刊文春にはその村上がメルセデスベンツの超超高級車、イヤ3,000万円だかの高額車のMY BACHの助手席から降りて練習場に入る絵を見せていたのだった。確か昨年の三冠王は今年の年俸が6億円だったかだから、いくら高価な車に乗ろうと非難する気はない。それだけではなく、某住宅会社からは3億円の一戸建ての住宅を貰っていたはずだ。

私が難しいところだと思う点は、そんな贅沢を満喫していることではない。持論として「マスコミに過度に持て囃されたスポーツ選手は動もすると、その後にろくな結果が出ないことが多々ある」という点なのだ。昨年にあの難渋した56本目を打った後で、彼らマスコミは何と言って連日連夜村上宗隆を持ち上げたか。23歳の若者がその最中にあって気の持ち方を平静に保てたかと疑問に思っている。マイバッハを持って悪いのではない。

マスコミにも追い回されてトレーニングに励む時間も不足していたかも知れないし、何処かで気が緩んで55本目前までのバッテイングが崩れていたのかもしれない。私の目には「あの1本を打つまでの間では明らかに崩れていたし、焦りと力みがあった」と見えた。彼が崩れただけでヤクルトが中日とビリ争いをするようになったのではないとは見ている。山田や塩見にも責任があるし、投手陣が余りにも弱体で駒不足だ。

私は「挫折を経験し、そこを切り抜けて初めて目が覚めて本物に成長していく」という説を信じている。自分の経験から言えば「ある日突然目の前が明るくなって何かが見えてくる」のだった。あれほどの(とは言って大谷翔平級ではないと思うが)素材であるから、遠からぬ将来に目の前が開けるだろう。これは自分で切り開くしか手段がないのだ。

岸田増税内閣:
もう退職金は他人事になってしまったが、岸田内閣が「退職金の税額を増やす」と打ち出したのは、単純に言って「酷すぎる」と断じる。これは総理自身の発想ではなく「取りやすいところから取る」を省是としてきた財務省(大蔵省)の発案だと思う。彼ら官僚は未だ退職金を貰ってそこから税を引かれた経験がないから、あんなことを考えたのだろう。総理だって同じだ。

物価高だろうと、インフレだろうと何だろうと、高齢になって退職した後の杖とも柱とも頼る退職金を増税しようというのは、酷すぎる発想だと思う。つい先頃「2,000万円蓄えておけ」という説が広まったではないか。経験から言うが「そんな程度では長生きしたらやって行けなくなるし、退職後を楽しむ余裕など出てこなくなる」のだ。その上に増税では、実情を知らないのも程があると思う残酷さだ。

岸田さんは一度高台に上がって「民の竈から煙が上がっているかどうか」を確かめてみる必要があると思う。でも、外国にばかり行っておられたら、飛行機からでも見るしかないか。



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