再度カタカナ語になっている野球用語を考えると:
18年8月にこの件を採り上げてみたが、有り難いことに未だに読んで下さる方がおられるので、今回はあらためて野球用語に見えてくる先人の優れた発想力を考えて見ることにする。
それはNPBのCS等を見ていると、解説者たちがしきりに「ノーバン」だの「ショーバン」という言葉を使うのが気になったのだった。言うまでもないかも知れないが、それらはカタカナ語化された野球用語である「ノーバウンド」であり「ショートバウンド」のことなのだ。細かいことを言えば「ト」即ち“t”の音と“d”に当たる「ド」が消えているのだ。何れも「バウンド」即ち「球が弾むこと」を表しているのだ。
この二つの他に最も頻繁に出てくるのが「イレギュラーバウンド」で、アナウンサーも解説者たちも使っているカタカナ語で、勿論英語にはない表現だ。そして時には「ゴロがイレギュラーしたので捕れなかった」というような同情的な言い方もされる。因みに、「ゴロ」は“grounder”が略化か転訛したものだと解釈している。
ここで私が取り上げたいことは、アメリカでは「ボールが弾むこと」を「バウンド」(=bound)とは言わずに“hop”と言っている点だ。故にと言うか何と言うか「ショートバウンド(略してショーバン)」という言い方はなくて「ショートホップ」なのだった。従って「ノーホップ」はないようだ。更に「イレギュラーバウンド」もなくて、ブッキラボーに「バッドホップ」即ち「悪い弾み方」なのである。
私は皮肉でも何でもなく、この辺りに先人たちの工夫と苦心の跡を見出すのだ。それはアメリカ人たちがゴロの弾み方に一定の規則か法則があるとは見ていないので、bad hopと表現したのだった。その辺りを先人たちは“irregular”(=不規則)という難しい単語の知識があったので、それを活かして「イレギュラーバウンド」としたのだと、私は推察している。そして、hopよりも難しい単語のboundを活かして「ショートバウンド」と「ノーバウンド」に仕立て上げたのだろうと読んでいる。
ここに使われたirregularとはregularの反対の意味を表す単語であり、Oxfordには「一定の法則で調整されていない」とある。確かに不規則を表しているので、それをバウンドに応用したのだろうと思う。だが、私は何故そう言う前に「アメリカでは何と表現しているのか」を確かめなかったのかと考えてしまうのだ。聞く機会はあったはずだろうと。
そう言い出すのは、他にも「ボールカウント」の表し方にもアメリカ式との相違があったからだ。私はアメリカでMLBの野球を見る前から不思議に思っていたのだが、我が国ではストライクが先でボールが後なのだ。これはずっと所謂「逆さの文化」の一種かと思っていたが、逆さも何も野球発祥の地はアメリカなのだから、何故導入したときに真似なかったのかと疑問に思っていた。その違いも2~3年前からアメリカ式に修正されていた。だが、ショーバンもノーバンもそのままだ。
勿論、「我が国には我が国独特のやり方がある」というご意見はあるだろう。私もそれを尊重する。だが、跛行的というか何というか部分的にアメリカ式に合わせていくのは不徹底のような気がしてならない。矢張り、言っておきたいことは「無闇に単語を覚え込ませようとした、我が国の英語教育には疑問が・・・」になってしまうのだ。
18年8月にこの件を採り上げてみたが、有り難いことに未だに読んで下さる方がおられるので、今回はあらためて野球用語に見えてくる先人の優れた発想力を考えて見ることにする。
それはNPBのCS等を見ていると、解説者たちがしきりに「ノーバン」だの「ショーバン」という言葉を使うのが気になったのだった。言うまでもないかも知れないが、それらはカタカナ語化された野球用語である「ノーバウンド」であり「ショートバウンド」のことなのだ。細かいことを言えば「ト」即ち“t”の音と“d”に当たる「ド」が消えているのだ。何れも「バウンド」即ち「球が弾むこと」を表しているのだ。
この二つの他に最も頻繁に出てくるのが「イレギュラーバウンド」で、アナウンサーも解説者たちも使っているカタカナ語で、勿論英語にはない表現だ。そして時には「ゴロがイレギュラーしたので捕れなかった」というような同情的な言い方もされる。因みに、「ゴロ」は“grounder”が略化か転訛したものだと解釈している。
ここで私が取り上げたいことは、アメリカでは「ボールが弾むこと」を「バウンド」(=bound)とは言わずに“hop”と言っている点だ。故にと言うか何と言うか「ショートバウンド(略してショーバン)」という言い方はなくて「ショートホップ」なのだった。従って「ノーホップ」はないようだ。更に「イレギュラーバウンド」もなくて、ブッキラボーに「バッドホップ」即ち「悪い弾み方」なのである。
私は皮肉でも何でもなく、この辺りに先人たちの工夫と苦心の跡を見出すのだ。それはアメリカ人たちがゴロの弾み方に一定の規則か法則があるとは見ていないので、bad hopと表現したのだった。その辺りを先人たちは“irregular”(=不規則)という難しい単語の知識があったので、それを活かして「イレギュラーバウンド」としたのだと、私は推察している。そして、hopよりも難しい単語のboundを活かして「ショートバウンド」と「ノーバウンド」に仕立て上げたのだろうと読んでいる。
ここに使われたirregularとはregularの反対の意味を表す単語であり、Oxfordには「一定の法則で調整されていない」とある。確かに不規則を表しているので、それをバウンドに応用したのだろうと思う。だが、私は何故そう言う前に「アメリカでは何と表現しているのか」を確かめなかったのかと考えてしまうのだ。聞く機会はあったはずだろうと。
そう言い出すのは、他にも「ボールカウント」の表し方にもアメリカ式との相違があったからだ。私はアメリカでMLBの野球を見る前から不思議に思っていたのだが、我が国ではストライクが先でボールが後なのだ。これはずっと所謂「逆さの文化」の一種かと思っていたが、逆さも何も野球発祥の地はアメリカなのだから、何故導入したときに真似なかったのかと疑問に思っていた。その違いも2~3年前からアメリカ式に修正されていた。だが、ショーバンもノーバンもそのままだ。
勿論、「我が国には我が国独特のやり方がある」というご意見はあるだろう。私もそれを尊重する。だが、跛行的というか何というか部分的にアメリカ式に合わせていくのは不徹底のような気がしてならない。矢張り、言っておきたいことは「無闇に単語を覚え込ませようとした、我が国の英語教育には疑問が・・・」になってしまうのだ。
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