新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

もしかして、もしかしたら

2025-02-15 07:46:08 | コラム
我が国の将来に悪影響を及ぼすのではないかと秘かに心配になった事:

言うなれば「風が吹けば桶屋が儲かる」というような心配事かもしれないが、ホンダと日産自動車の統合または子会社化の大きな事案が破談になったとの報道に接して、一人秘かに考え込まされた。

どこかのテレビ局でデーブ・スペクターが「何をやっているのだろう。それでなくてもEVとはスマホが自動車になってしまうような感じすらある世界の流れに乗り遅れている両社は」と、彼独特の表現で皮肉っていた。

また、台湾の代表的企業である鴻海精密工業は日産自動車を傘下に収めることを検討中であったが、今回の破談を知ってか大株主となることを検討中とも報じられている。

因みに、鴻海は(ホンハイせいみつこうぎょう)のこと。鴻海精密工業股份有限公司、Hon Hai Precision Industry Co., Ltd. で、通称:フォックスコンは、台湾のEMS=電子機器受託生産の企業である。同社はフォックスコングループ、鴻海科技集団の中核企業であり、そのグループ名でも活動している。EMS企業の世界最大手である。売上高は日本円にすれば約15兆円という規模。

振り返れば、この鴻海は2016年に我が国のシャープの救済に出て、今やその傘下に置いている。シャープの売上高は2兆5千億円、日産自動車は今期には減少が見込まれているが、売上高は8兆4,000億円ほどである。鴻海は合計すれば合計で10兆円に垂んとする2社を傘下に置く事になりかねないのだ。

それだけではない。台湾の世界最大の半導体受託製造企業の台湾積体電路製造股份有限公司(臺灣積體電路製造股份有限公司、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. 略称:台積電・TSMC)は熊本県に大型の新工場を建設し稼働開始しているし、我が国も支援して北海道にも進出予定だ。しかも、九州に進出を決めた理由は「人件費が低い」所にあったと言うではないか。

ここから先は勿論仮定の事というか、俗にいう「タラれば」の話で、石破首相ではないが「仮定の話」で国会では答弁しないのだ。虎視眈々と台湾の奪取を唱えている中国が、もしもというか仮にも台湾を支配でもするようになれば、我が国の製造業界の中核をなしている訳ではないとしても、シャープと日産自動車が奪取されてしまうことになり、熊本県のTSMCの工場も同様だ。

習近平主席が台湾を取り込むことの真の狙いが何処にあるのかは、専門家の議論にお任せすべきだろう。だが、一寸考えてみただけでも、防衛や自衛の案件の他に心配しなければならない事案として、上記のように「仮定」の話だが、有力な製造業、それも時代の需要が最も盛んな半導体の新工場等までを手中にされてしまう危険性があるという事なのだ。

トランプ大統領が続々と打ち出される凡人には想像も及ばなかった「MAGA」と「アメリカファースト」に基づいた斬新すぎる新政策への対応にも真剣に取り組まねばならないこの時期にあって、私には台湾問題について上記の仮定の話を進めて考えると、容易ならざる事態が待ち受けているように思えてならないのだ。何分にも、年を取ると心配事が増えるもので。

参考資料:Wikipedia


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