新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月25日 その2 フェイクニュースの考察

2021-03-25 09:43:20 | コラム
「日本を貶めるフェイクニュースを論破する」

PHPがかかる題名の本を出版して、良く売れているとの新聞広告を見た。「なるほど」と思ったが、アマゾンに注文する用意まではない。

このフェイクニュースについてはトランプ大統領(当時)が口を極めて強調され、我が国のマスコミが崇め奉って、その報道をそのまま国内に流しているニューヨークタイムス、ワシントンポスト、CNN等々が「フェイクニュース」の発信元だと決めつけておられた。2011年に行ったのが最後であるように、アメリカの現実面に極めて疎遠になった私にとっては、どれが真実で、どれがフェイクなのかの判断などが付く訳がない有様なので、大統領があそこまで言われる以上は何割かは虚報か捏造もあるのかという程度に受け入れていた。

念の為に回顧して置くが、鳩山由紀夫元総理大臣をワシントンポスト紙が“loopy”と罵った時に、我が国の主な新聞は「ここぞ」とばかりに採り上げて「アメリカ全土に広まってしまった」かの如くに大騒ぎで報じた。私はナイーヴ(愚かか、馬鹿という意味であり、カタカナ語の「ナイーブ」は誤り)にも、オレゴン州に住むIntelの精鋭に「この記事を読んだか」と確認しようとした。彼の返事で不明を恥じた。それは「私が何処に住んでいるか知っているでしょう。オレゴン州でワシントンポスト等を読む訳がないでしょう」だった。

そうです、あの新聞は(有力な?)地方紙だったのだ。現在では偶にテレビではこの「有力」を付けて紹介するようになったが。ニューヨークタイムスだってそれなりのは権威があるだろうが、電子版でも読まない限り、西海岸には定期購読している奇特な人などいないのだ。私はアメリカ全土で20州ほど歩いたが、何処に行ってもホテルの部屋に入れてくれるのはUSA TODAYかその地域の地方紙だけだった。

話をフェイクニュースに戻せば、先日も採り上げたが、今年の2月にトランプ大統領がジョージア州の当局者に電話で「『不正投票があったと掘り起こせ』と命令されたとワシントンポストが報じた」のがフェイクニュースだったと判明したのだったのだそうだ。これはほんの一例に過ぎないようで、多くのジャーナリストやアメリカ問題の専門家たちは「我が国のマスコミはアメリカの有力紙(地方紙)の記事をそのまま垂れ流しているので危険だ」と指摘しておられた。一方ではトランプ大統領は就任以来1万件を超える嘘を言っておられたとの報道もあった。

ここまで読まされ、聞かされると、一体全体何方と何処の新聞が正しいのかが解らなくなってくる。確かにトランプ大統領は消毒薬を飲めばウイルスを殺せるなどと言われた。これは嘘だったようだが、これなどは一寸考えても「そんな事があるのか」と疑える。だが、虚報や捏造のフェイクニュースはそうとはならないので罪が深いと思える。私などは純情に「なるほど、この再選に全てかけておられるトランプ大統領ならやりそうな事だ」と信じさせられていた。

今となってみれば、フェイクニュースの恐ろしさがイヤと言うほど解ったのだ。あのワシントンポストのニュースがフェイクのほん「の氷山の一角」だったら恐ろしい事ではないか。我が国のマスコミには私を余り信用していないが、その中の何名かが特派員という如何にも時代錯誤な名称で海外、特にアメリカに駐在していては、彼らがこれまでに冒してきた誤訳の情けなさを見ても、本当の事とフェイクを見分ける事が出来るのかと本気で疑いたくなる。PHPには過去のフェイクを教えて貰うよりも、マスコミに今後はフェイクニュースを垂れ流さない事をきつく要望したい。



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