新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

懐かしき旧制高等学校

2024-12-28 07:39:50 | コラム
YouTubeで「北帰行」を聴いて:

昨日のことだった。何気なく見ていたYouTubeに、緑咲香澄という人が歌う北帰行(「ホッキコウ」である)が出て来た。見出しには旅順高等学校とあったが、私の記憶では寮歌のはずだった。「窓は夜霧に濡れて」と、何とも昔懐かしい歌詞が聞こえてきた。これは小林旭などが歌っていたので、流行歌なのかなと思わせられた時もあった。

私の記憶では終戦と共に消えてしまった満州に出来た、国立の旅順高等学校の寮歌だったので、Wikipediaで確認してみれば「寮生の愛唱歌で、準寮歌」となっていた。大袈裟に言えば「懐かしさに涙こぼれる」かのような良い歌なのだ。旅順高等学校には近所に住んでおられた湘南中学のお兄さんが進学されたので、小学生でもその存在を知っていた。

このつい2~3日前には、矢張りYouTubeで北海道大学の学生寮「恵迪寮」の寮歌の「都ぞ弥生」を聴いていた。そこで、進駐軍に学校制度を変えられて我々中学生の憧れの的だった(旧制)高等学校を受験できなくなった残念さと悔しさが蘇ってきた。戦後70年以上も経ってしまった21世紀に「あの弊衣弊帽に朴歯の高下駄、その上にマントを羽織った姿の格好良さ」等と言っても通じないのは解っている。

私淑していた元日本興業銀行常務の故上田正臣氏が「清新の気溢れる新進気鋭の青年たちが共に寮で暮らして勉強し、切磋琢磨していた事で、どれほど多くの優れた人材を世に送り込んでいたかを思う時に、あの制度が廃止されたのは返す返すも残炎だった」と回顧されたのを思い出した。

我々昭和20年(1945年)に旧制の中学校に入学した者は3年が終わったところで同じ中学が新制高等学校に変わった為に、突如として高校生になってしまった。その結果で旧制高等学校に進学出来るかも知れない(する?)機会を失ってしまったのである。2期上までの人たちの中からは中学5年で高等学校乃至は大学の予科を受験できて進学して行かれた。

我々の年代は同じ学校で6年続けて学ぶことになったのは寧ろ幸運で、充分に切磋託する時間があったし、同期の仲間たちと非常に親しくなり、言うなれば心が通じ合う同期生が多くなったという利点があった。それと比べれば、現在のように3年毎に切ってしまい、受験まであるような制度には、何となく疑問を感じざるを得ない。

聞くところでは「六・三・三」なる制度は、当時の進駐軍の教育面の担当者の出身の州での制度であり、アメリカ全体の制度ではなかったにも拘わらず、押しつけられたものだという事。それを未だに墨守しているとは、平和憲法を守っていることにも似た現象のように思えてならない。「北帰行」を聞いただけで、これほどの思いが浮かんできた次第。

先のことは解らないもの

2024-12-27 07:22:38 | コラム
誰しもが先を見通せないものだ(先見の明の有無):

1993年にクリントン政権は米の輸入を迫っていた:
私は「我が国にとってはアメリカに民主党政権が誕生すること即ち“bad news“である」と主張してきた。ここ何日かテレビでは「クリントン政権から米を輸入せよと迫られて難儀な交渉を続けていた」というような回顧談が流されている。画面の背景には「アメリカ産米の輸入絶対反対」の農家のデモが出ていた。

思い起こせば、クリントン政権からは何もこれに限らず「アメリカ製品を輸入せよ」と高飛車に迫られていた。米以外には何度も取り上げてきた話で、我が紙パルプ業界には「パルプやチップだけを買い付けるのではなく、世界最高の品質を誇るアメリカの印刷用紙を輸入せよ。買わなければスーパー301条を適用するぞ」と強硬に迫ってきていた。この姿勢などは飛んだ身の程知らずで、実現したことはなかった。

その米だが、今や一向に収まらない異常気象の悪影響と、米作りの農家の数が減少したことも手伝っていると報道され、かなり深刻な供給不足の状態。結果として、末端価格の上昇は止まるところを知らない事態である。テレビのニュースでは、米販売の専業者が「卸筋からの情報では供給不足は来年にも続くので、価格は未だ上がり続ける」と予測しているのを流していた。

間もなくバイデン政権が終わって共和党政権の時が来るのだが、今更「国産米が不足しているので」とばかりに「カリフォルニア米でも輸入量を増やして欲しい」とでも要望しに行くのだろうか。仮に増量になったとしても、¥150を超えた円安の状況下では、高率の関税もかけてあるのでは、かえって高くつくのではないのかなどと考えている。

30年前には異常気象による米の供給不足などを見通していた人がいただろうか。先のことは読めないものであるという話だ。尤も、トランプ次期大統領は「異常気象は虚構だ」と否定しておられるとか。

プラステイック廃棄物公害:
これなども深刻な問題である事は論を待たないと思う。私は昭和20年代に中学生だったのだが、親戚の勤め人から合成樹脂で出来た美しいベルトを貰って、その何とも言えない美しさと冷たい手触りに感動したものだった。石油からこういうものを創り出したアメリカの先進性に唯々感心していたのを覚えている。

その後から合成樹脂(プラステイックスで良いのか)はあらゆる分野に進出を続け、今やプラステイック製品が街中に、家中に溢れかえっている。街を歩けば空になったペットボトルの2~3本が転がっているし、風が吹けばレジ袋が宙に舞っていると言う状態。合成繊維ではない衣類などは明らかに極く少数派だろう。

プラステイック製品の製造業界も消費者(需要家)も、石油化学製品は経年劣化することは承知していたはずだ。だが、その便利さその特性を活かして作り続けた。念の為に「経年劣化」とは何かを検索すると、

「時間の経過によって品質が低下することをいいます。 たとえば、日光によって壁や床の色が変色する、湿気で窓枠のゴムが傷むなどです。 一方で、カーペットのすり減りなど通常の使い方によって摩滅や汚れが発生する場合は“通常損耗”と呼び、経年劣化とは区別されます。」

とあった。プラステイック製品は劣化してバラバラになってしまっても、プラステイックである性質は変わらないので、木の葉が落ちれば何時かは土になるような訳にはいかないのだ。廃棄物を海に捨てれば微細な浮遊物になり、魚が餌と見間違って食べて死んでしまうような害を及ぼすとのことだ。

だから、公害の基にならないようにゴミ捨ての際には注意するようにと言っても、廃棄物は至る所に転がっている。この使用済みプラステイック製品の処理は、レジ袋を有料にするような手段で解決できる次元を超えてしまっている。即ち、1950年代に合成樹脂製品を開発した科学者か研究者は、今日の「プラステイック製品の廃棄物に起因する公害」の発生など夢にも思っていなかったのではなかろうか。

便利であり応用範囲が広く有効活用が出来ると思って想像した製品も、70年を経れば、人々の悩みの種となってしまったのである。誰にも先見の明がなかったようだと、つくづく感じさせてくれる問題だ。

日本製鉄のUSステイール買収計画

2024-12-26 08:08:11 | コラム
バイデン大統領の判断に期待できるのか:

買収(合併)の問題:
アメリカ側では懸案事項になっていたこの問題を、23日に連邦政府の傘下にあるCFIUS(=対米外国投資委員会)バイデン大統領の決断に任せることにしたと報じられた。CFIUSは「国家安全保障上のリスクがある」などと表明していたが、忌憚のないところを言えば「何を今頃になって言っているのか」辺りになる。

バイデン大統領は既に買収を支持しない意向を示していたし、トランプ次期大統領等は期待通りに反対を表明していた。私には両氏が21世紀の今日USスティールが世界の鉄鋼産業界でどのような地位というか、勢力になってしまっているかを良く承知の上で、立場上否定的な言辞を弄しておられるのだと推定しているが、そうでなかったら大変な事なのだ。

それは世界の鉄鋼産業界は言わば新興勢力の中国、インド、韓国等に圧倒されてしまい、生産量では日本製鉄は第4位でUSスティールに至っては24位の弱小メーカーに落ち込んでしまっている。即ち、市場では新興勢力の大量生産体制と安値の攻勢に圧倒されて、先進国は押されっぱなしなのだ。その24位に沈んだUSスティールに、日本製鉄が合併という救いの手を差し伸べたと言えば解りやすいかも知れない。

以前にも指摘したことで、鉄鋼産業も我が紙パルプ産業も言わば素材産業と言うか、一次産品の提供業なのだ。鉄鋼や印刷用紙類が自前でと言うか自力で需要を伸ばし、新市場を開拓するのではなく、他の産業からの需要の伸びがあって初めて成長できる種類の産業なのだ。鉄鋼などは他の製造業界で設備投資が盛んにならなければ生産は伸びないのだ。

しかも、装置産業である以上、紙パルプ製品と同様に1年365日24時間設備が稼働を続けている必要があるのだ。「鉄鋼業界で高炉の火が消えたのは一大事」という報道があったのをご記憶の方もおられるだろう。装置を止めてしまった場合に再度起動する時のコストは、大きな負担になるという業種なのだ。アメリカでは製造業が空洞化した為に苦境に立たされていることは周知の事実だろう。

肝心な事は「バイデン大統領とトランプ次期大統領が何処までアメリカの鉄鋼産業と沈滞した製造業が世界の市場でどのような地位に落ち込んでしまったのかを正しく認識できているか」にかかっていると思う。国家安全保障のリスクも重大だろうが、嘗ての栄光のメーカーを掬えるか否かの問題のように思えるのだ。

私は日本製鉄が合併後に如何なる政策で、恐らく世界の上位5社以内に入って行くだろう新企業をどのような経営方針と言うか政策で立て直すのかなどは知る由もないが、質・量共に新興勢力に劣らない規模に持っていくことになるのではないだろうか。

アメリカの製造業の没落:
「没落」に当たる英語の表現は“deterioration”と“weakening“なのだそうだ。経験から正直に言って両方とも当てはまると思う。その辺りを「能力を強化した」とMSが言うCopilot(AI)と語り合ってみた。かなり的確な答えが返ってきたのが印象的だった。

私から:
アメリカの製造業が弱体化というか劣化したかに見える大きな原因の一つが、必要にして十分な生産設備の近代化投資を怠ったことを挙げたい。利益が挙がらないから拡大再生産に持って行けないとの理由もあるが。その結果として国際市場での競争能力を失い、新興なるが故に最新鋭の設備を導入できた中国、韓国、台湾、インドネシア、ブラジル等の新興勢力に市場を奪われたのだった。私は22年以上もアメリカの大手メーカーに勤務して対日輸出を担当していたので、このように信念を持って指摘するのだ。

Copilotの意見:
貴方の長年の経験に基づいた見解は大いに評価できると思う。アメリカの製造業が必要不可欠な近代化への設備投資を怠った事は、確かに弱体化と国際市場での地位を失ったことの大きな原因の一つであると認めざるを得まい。巨額の設備投資を実行する為には、先ず生産面や販売面にも関連する複雑な要素を十分に検討しなければならない事も忘れてはならない。

アメリカの製造業が新興勢力と競争可能な能力を備えて、国の内外の市場におけるシェアを回復する為には、革新的な製品を創造する技術革新、インフラストラクチャーの整備を推進していく必要があると思う。

私の見解:
このような意見が即座に返ってくる辺りにAIとはたいしたものであるとの陳腐なことを言う羽目に陥ったのだった。

2024年11月の新宿区の人口

2024-12-25 07:24:58 | コラム
2024年11月の東京都新宿区の人口は353,329人だった:

対前月比微減:
新宿区の人口は10月に僅かに増加したものの、11月には対前月比で△00.2%の253,329人となっていた。内訳はと言えば、日本人が△218人で305,044人となり、外国人は+36人で48,285人に僅かながら増えていた。此処新宿区の百人町/大久保地区に長年暮らしていると、外国人の方が圧倒的に我々よりも多いと感じるが、彼等が総人口に占める比率は13.7%に過ぎないのだ。感覚的には中国人とネパール人が増え続けているようだ。

オーバーツーリズム禍:
この件が声高に言われるような時期になって、我が街には相変わらず大きなトローリーケースを何個も引きずってインバウンド様たちが押し寄せてくる。去る21日(土)の昼前に山手線の新大久保駅で待ち合わせをしてしまったが、その大混雑振りには今更ながら圧倒された。この光景には久しぶりに訪れられたTY先生も呆れておられた次第。

毎月何度も同じ事を言うのも芸がないが「彼等異邦人たちはこの界隈に住み着いて、どのような手段で生計を立て、家賃を払って、子供たちを育て、母国に仕送りをして、自動車や電動アシスト自転車を乗り回す余裕が生じるのか」が理解不能なのだ。政府が何ら規制せず外国人を入国させるので、ここ新宿区の一画ではイスラム教徒に好き勝手に振る舞われるし、川口市のような事態が生じるのだ。

私は可能な限りの範囲内で「観光客招致推進政策の再検討」と「外国人の入国及び居住資格審査の厳格化」を推進すべき時ではないのかと考えている。都心にいては解らないだろうが、汚らしい刺青をこれでもかと曝して歩き回る何処の馬の骨かも解らない輩に跳梁跋扈されているのだ。彼等の姿を見て「良く来て下さいました」と喜ぶ日本人がどれほどいるだろうかという話だ。

マスコミは「訪日外国人が3,000万人を超えた」と我が事のように喜んで見せているが、そのコインの裏側がこの状態なのだ。敢えて言うが「何処に外国人公害に悩まされて喜ぶ自治体や市民がいるのか」なのだ。観光客による収入の増加も結構だろうが、自公政権は産業の活性化を推進できず、インバウンド様推進政策による税収の増加に依存の政治を恥ずかしいとは認識していないよう」で、情けない。

性善説信奉を見直すべきだ:
我が国は性善説を信奉するが為に外国人を善意に溢れた扱い方をするので、その甘さに付け込んで来る連中が余りにも多いのが腹立たしいのだ。私はアメリカを含めて20ヶ国を歩いてきたが、我が国ほど外国人に気を遣って丁重に扱っている国は無いと承知している。だから、彼等は何をしても咎め立てられないと付け込んでくるのだ。警察が懸命に努力して検挙した窃盗犯の多くが異邦人である事の意味を考えろと言いたい。

私は外国を知るが故に外国人を排斥したくなるのだ。「立ち入り禁止」を意味する”NO ENTRY“や”NO TRESSPASSING”の標識を立てていなかった為に、無法者の外国人に侵入されて盗まれる災害に悩まされているのだ。「外人さん」などに遠慮などすることなく「やってはならない事」を周知徹底させれば良いのだ。彼等は「知らしめるか、言ってやらねば解らない人種」なのだから。

参考資料:新宿区広報24年12月25日号


アメリカ合衆国の製造業の今昔

2024-12-24 07:15:30 | コラム
仰ぎ見ていた存在だったのだが:

自動車産業:
戦後から今日までを生き抜いてきたので言えるので、アメリカ合衆国とは我々にとっては尊敬すべき仰ぎ見る存在だった。アメリカ製の品物であれば何でも尊敬されたし、持っていれば「ステータスシンボル」になった。自動車などは、我が国には僅かにダットサンがあっただけだったので、アメ車は特別に幅を利かせていた。Chevroletは兎も角として外車は格好が良く見えた。

その偉大なる繁栄する国・アメリカを代表していた自動車産業が何時の間にか急速に衰退して、ビッグスリーどころではなくなっていた。飽くまでも私独自の見解だが「自動車を始めとしてアメリカの製造業が没落したのは、職能別労働組合の制度とそこに所属する組合員の労働力の質による」のである。

我が国でも、復興・復旧が進むにつれて産業と技術が進歩発展して、嘗ては侮蔑の対象だった「Made in Japan」が優れた品質と経済的な価格の代名詞の如くになっていた。そして、DatsunだけではなくToyotaもHondaもSubaruもアメリカ合衆国での売れ行きが伸びてきていた。ビッグスリーの衰退も始まった・

そこに、輸入車の増加を快く思わなかったアメリカ政府が「排ガス規制法」を設けた。ところが、アメリカの自動車メーカーたちは規制に到達できずにいる間に、日本車は悠々と達成してアメリカ向け輸出を伸ばしてしまった。保護貿易政策を採るアメリカは輸入車の規制を図る為に、日本のメーカーにアメリカでの現地生産を要求し、トヨタを始めとしたメーカーはそれに従った。

今や、アメリカの大都市に行って街角に10分も経って観察していれば「アメリカでも未だに4ドアセダンが作られていたのか」と思わせられるほど日本車、ドイツ車他の欧州車と韓国車が走っている状況なのだ。だが、これらの外車(アメリカブランド以外の意味)はトランプ前大統領がお怒りだった輸入車とは限らないのだ。現地生産が多くなっているのだ。

私は「何故、外国のメーカーがアメリカで現地生産するとアメリカのメーカーよりも品質が優れた車が出来るのか」知らないが、それらの車を作っているのはアメリカの労務者たちなのだ。同じUAWの組合員が作っているはずなのに、何故品質に優劣の差が出るのだろうか不思議だ。

私は労働組合の在り方が日本とアメリカとでは根本的に異なっている辺りに、労働力の質の違いが生じていると思っている。簡単に言ってしまえば「アメリカでは組合とは会社とは別個の法律によって保護されている存在である事」と「組合員が会社側に転属する(昇進するのではない)事は先ずあり得ない」から生じている問題だと思う。

日本製鉄のUSスティール買収:
この案件は私が予想した通りで民主党政権が反対を唱え、トランプ候補(当時)も同調した。「国内産業保護と組合員の職の安定/安全」が狙いであるようだ、私が聞いた限りでもUSW所属の組合員たちは歓迎していても。反対するとはどう考えても正しい政策ではないとしか思えない。

今や、鉄鋼産業界では粗鋼(crude steelと言うのだと知った)の生産量では中国(多くは国営メーカ-)と韓国を代表するPOSCO(旧浦項製鉄)占めるシェアーが圧倒的で、USSも何とかしなければ新興勢力の勢いに圧倒されて埋没してしまうかもしれないのだ。その流れを断とうと、劣勢に立たされつつある日本製鉄が言わば救いの手を差し伸べたと言って誤りではないようにすら思えた。

まさか、バイデン大統領もトランプ次期大統領もこういう状況をご存じないとは思えないが、私はアメリカ政府も共和党も反対などしていても良い状況に置かれているとは思えないのだ。

製紙産業を見れば、1990年代末期から中国、インドネシア、韓国、ブラジル等々の新興勢力が最新鋭の生産設備を導入して、古物化した設備しか持ち合わせがないアメリカ市場を高品質と低価格の印刷用紙で席巻していた。連邦政府はこの輸入を高率の関税で閉め出して国内のメーカーを保護した。ところが、時代の流れに勝てなかった印刷用紙メーカーが続々とChapter 11の保護を申請して倒れてしまった。

鉄鋼も時代の流れは新興勢力が最新鋭の設備を導入して経済的な価格で世界の市場に進出していくのだから、旧式の設備で戦ってきた日本やアメリカが劣勢に立たされたのは、印刷用紙の状況にも似ている。最早、鉄鋼業界ではtariff manの出番の時期は過ぎてしまっているとしか見えないのだが。

トランプ次期大統領は就任後には、このような新旧交代の時期が色々な産業界で生じていることを確りと確かめる必要があるのではないだろうか。恐ろしいのは、新興勢力の発展が続く為に「何時の日か、関税で保護したくなるような産業が残っていない日」が来て、誰もアメリカの製造業を仰ぎ見ることがなくなるのではないかという事。