中国では南西部の四川省で、初のシェールガス採掘プロジェクトが開始された。
楽観的な試算では、中国にはこの先10年間の国内需要を満たすだけのシェールガスが埋蔵されていると言われれているが、一連の専門家らからは、こうした評価に対し懐疑的な意見が聞かれている。
ロシア(???)エコノミストのフェイギン氏は、次のように指摘している。
「シェールガスの埋蔵量について語られる時は、その量がかなり大きく言われることが多いのだ。なぜなら従来の天然ガスのガス田に比べ、シェールガスの正確な埋蔵量を測ることは非常に難しいからだ。また仮に多量の埋蔵量があったとしても、その経済的な有効利用は難しいのだ。中国でのシェールガスの採掘は、今のところ目立った結果を出していない。
ヨーロッパで最も大きな埋蔵量があるとされてるポーランドでおいても、採掘でいい結果を出されていない。
アメリカのエクソンモービル社は、シェールガスの採掘は損失が大きいとして、ポーランドでの採掘を断念したほどだ」
エコノミストは、このように語っている。
現在のシェールガスをめぐる状況は、原子力エネルギー事情を思い起こさせる。当初、原子力は平和的エネルギーであり、低コストで人類のエネルギー需要を満たすとの期待が寄せられた。
ところが次の段階では、原子力は本当に安全なのかという疑惑が持ち上がった。シェールガスの採掘でも深刻な環境リスクが伴う。採掘には水圧、水の圧力を利用した、ハイドロフラクチャリングという技術が使われる。
これは地中深くに向けて高い圧力で水、砂、化学物質が投入され、これによって鉱山の地下層からガスを外に出すという方法だ。
地面の中に有害な化学物質を含んだ水が投入されることによって、地震が発生する危険性が生じる。ところがハイドロフラクチャリング採掘法に伴うリスクは、これだけではない。この採掘法はフランス、ブルガリアではすでに禁止されているほか、イギリス、南アフリカ、カナダのケベック州、スペインの北部でも一時的に禁止された。
産業的規模で世界に先駆けてシェールガスの採掘を始め、かなりの成功を修めているアメリカでさへも、ハイドロフラチャリング採掘法は、いくつかの州で一時的に禁じられている。
ロシア科学アカデミーの会員で、石油ガス問題研究所のドミトリエフスキー所長は中国がアメリカのようなサクセスストーリーを辿ることは疑わしいとして、次のように述べている。
「アメリカではシェールガス層は、そう深い場所にはないにも関わらず、1000立方メートル当たりの採掘原価が、150ドルはかかることを忘れてはならない。
このほかシェールガスが天然ガスに完全に取って代わる、代替燃料にはなりえない技術的な特質がある。例えばシェールガスは長距離輸送に向かず、一つの産地の寿命が短いことが挙げられるのだ」
所長は、このように述べている。
とはいえ、市場にシェールガスが登場したことで、ガスの世界価格は下がった。これを先ず感じたのはロシアのガスプロム社だった。それでもガスプロム社は世界の新たな市場開拓の野心的計画を諦めてはいない。
数日前、ガスプロムは日本の伊藤忠と Japan (???) との間にロシア極東で、液化天然ガスの巨大工場の建設の合意を結んでいる。新たな液化天然ガス生産工場では5年後には、年間1000万トンの生産が見込まれている。
ロシアが東に向けてガス輸送を拡大する背景には、アジア諸国のエネルギー需要の拡大がある。専門家の試算では2020年までに、北東アジア諸国のエネルギー資源需要は、世界のエネルギー需要の半分以上を占めるとされている。
※(???)はベテラン女性アナウンサーの舌がもつれて何を言ってるのか不明
9月8日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
楽観的な試算では、中国にはこの先10年間の国内需要を満たすだけのシェールガスが埋蔵されていると言われれているが、一連の専門家らからは、こうした評価に対し懐疑的な意見が聞かれている。
ロシア(???)エコノミストのフェイギン氏は、次のように指摘している。
「シェールガスの埋蔵量について語られる時は、その量がかなり大きく言われることが多いのだ。なぜなら従来の天然ガスのガス田に比べ、シェールガスの正確な埋蔵量を測ることは非常に難しいからだ。また仮に多量の埋蔵量があったとしても、その経済的な有効利用は難しいのだ。中国でのシェールガスの採掘は、今のところ目立った結果を出していない。
ヨーロッパで最も大きな埋蔵量があるとされてるポーランドでおいても、採掘でいい結果を出されていない。
アメリカのエクソンモービル社は、シェールガスの採掘は損失が大きいとして、ポーランドでの採掘を断念したほどだ」
エコノミストは、このように語っている。
現在のシェールガスをめぐる状況は、原子力エネルギー事情を思い起こさせる。当初、原子力は平和的エネルギーであり、低コストで人類のエネルギー需要を満たすとの期待が寄せられた。
ところが次の段階では、原子力は本当に安全なのかという疑惑が持ち上がった。シェールガスの採掘でも深刻な環境リスクが伴う。採掘には水圧、水の圧力を利用した、ハイドロフラクチャリングという技術が使われる。
これは地中深くに向けて高い圧力で水、砂、化学物質が投入され、これによって鉱山の地下層からガスを外に出すという方法だ。
地面の中に有害な化学物質を含んだ水が投入されることによって、地震が発生する危険性が生じる。ところがハイドロフラクチャリング採掘法に伴うリスクは、これだけではない。この採掘法はフランス、ブルガリアではすでに禁止されているほか、イギリス、南アフリカ、カナダのケベック州、スペインの北部でも一時的に禁止された。
産業的規模で世界に先駆けてシェールガスの採掘を始め、かなりの成功を修めているアメリカでさへも、ハイドロフラチャリング採掘法は、いくつかの州で一時的に禁じられている。
ロシア科学アカデミーの会員で、石油ガス問題研究所のドミトリエフスキー所長は中国がアメリカのようなサクセスストーリーを辿ることは疑わしいとして、次のように述べている。
「アメリカではシェールガス層は、そう深い場所にはないにも関わらず、1000立方メートル当たりの採掘原価が、150ドルはかかることを忘れてはならない。
このほかシェールガスが天然ガスに完全に取って代わる、代替燃料にはなりえない技術的な特質がある。例えばシェールガスは長距離輸送に向かず、一つの産地の寿命が短いことが挙げられるのだ」
所長は、このように述べている。
とはいえ、市場にシェールガスが登場したことで、ガスの世界価格は下がった。これを先ず感じたのはロシアのガスプロム社だった。それでもガスプロム社は世界の新たな市場開拓の野心的計画を諦めてはいない。
数日前、ガスプロムは日本の伊藤忠と Japan (???) との間にロシア極東で、液化天然ガスの巨大工場の建設の合意を結んでいる。新たな液化天然ガス生産工場では5年後には、年間1000万トンの生産が見込まれている。
ロシアが東に向けてガス輸送を拡大する背景には、アジア諸国のエネルギー需要の拡大がある。専門家の試算では2020年までに、北東アジア諸国のエネルギー資源需要は、世界のエネルギー需要の半分以上を占めるとされている。
※(???)はベテラン女性アナウンサーの舌がもつれて何を言ってるのか不明
エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (NHK出版新書 356) | |
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NHK出版 |
9月8日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル