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天安門事件の再評価と政治改革の行方

2012-04-09 | ラジオ
1989年の6月4日、中国の首都北京で起きた天安門事件について、中国の温家宝首相は事件に対する、公式的な立場の見直しを行うよう再三にわたって提案を行ってきた。
フィナンシャルタイムズ紙は中国共産党からの匿名の情報を引用して、このように伝えている。
フィナンシャルタイムズ紙の、この情報の信憑性については専門家の間でも意見が分かれている。
これを単なる噂だとする者もいれば、まさに温首相の口からならば、こうした呼びかけが出ても、おかしくないとする声も聞かれている。

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当時、温氏は趙紫陽に近い立場にあった。インターネット上では趙総書記とともに学生らの間に立つ温氏の写真が広く流布されている。
これについてモスクワ大学アジア・アフリカ諸国大学のカルネーエフ副学長は、ロシアの声からのインタビューに答え、1989年の事件の評価を見直すというのは、温家宝氏が全国人民代表大会を総括し、活発に行うよう呼びかけた政治改革の一端に成り得るとして、次のように語っている。
「天安門事件について、より客観的な評価は遅かれ早かれ、なされることは避けがたい。中国ではよくあることだが、名誉回復のテーマを取り上げる権利をめぐり、すでに競争が始まっている。これを手にすることで、政治的にもモラルの上でも大きく点数を稼ぐことができ、歴史に名を残すことができるからだ」
副学長は、このように述べている。

カルネーエフ副学長は、おそらく名誉回復は現政権中ではなく、また次の第5代の習近平体制でも行われることはないだろうとの見方を示している。
にも関わらず温家宝氏が呼びかけを行うのは、首相の座を退きながら、この問題を取り上げ、自らその解決を早めた人物として、歴史に名を残したいという意思の表れではないだろうか。
仮に天安門事件が根底から再評価されるとすれば、これは温氏が唱える政治制度改革にとって、実質的強力な動機となるだろう。
思い切った政治制度改革を求める(???)は、中国社会のリベラル派の中にも聞かれる。こうした一方でカルネーエフ氏は、1989年の天安門事件の参加者らの名誉回復は過度に刺激の大きなアプローチとなり、中国のエリート間のバランスを壊しかねないとも危惧する。これは指導部で世代交代が行われようとしている中では、望ましい事態ではない。

さらにインタビューの続きをお聞きください。
「中国共産党内の客観的な状況に関し求められていることがある。共産党はすでに情報を独占できる状態にない。そうした一方で、足踏みさせる状況もある。なぜならば急激な変化を恐れる人が多いからだ。
指導部の大半はアラブの春を恐れており、いろんな変化を最大限穏便に実現することを願っている。ところがいつの時代も生きた人間がいて、野心、ライバル競争は絶え間なく展開しているものだ」
副学長は、このように発言している。

中国では安定を維持しようとする慣性の力が大きく働いている。役人たちは変化を恐れる。経済改革の結果、ビジネスは役人たちの統制下に入った。
汚職のレベルでは企業家らと役人らの間でグレーな交換がなされている。システムは一種の地代を受け取る権利を守ろうとするだろう。カルネーエフ氏は、ここに中国における政治改革が、遅々として進まない理由があるとしている。
天安門事件について中国の公式的な書面が用いていた、反革命的なクーデターという表現はなくなったものの、事件の真相を明らかにするには、まだまだ時間が必要だ。

(???)は女性アナウンサーの不明瞭な言葉で聴き取れず

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3月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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