東京老人Tokyorojin

こごとじじい増山静男のブログです。

旧芝離宮庭園

2006年03月23日 19時29分25秒 | 国内旅行
本当にひさしぶりに芝離宮庭園を散策しました。今日はとても暖かく、さくらも開花し、あと数日で満開のようです。つい2,3日前に梅の満開をみたのが幻のようです。

こちらの庭園は長らくほったらかしてあって、周辺ビルからの遠景ぐらいに成り下がっていた感じですが、今日来てみると、すこしづつ手入れをして往年の美しさを取り戻しているようです。

300余年前の江戸時代に作られた大名の庭だと思いますが、よく見ると実によく設計された力作です。中央やや南の大山という築山から全景が見渡されますが、日本のこの時代の最高傑作といっても過言は無いでしょう。

たとえば中国杭州にある西湖を模した築堤は、こちらの説明によれば後楽園や、広島の縮景園にあるものに比べ断然すぐれています。当時の造園業者はもちろん西湖に行ったわけではないでしょう。どういう文献にもとづいて設計したのでしょうね。

西湖に行ったとき中国の女の子と知り合いになり、一日一緒に観光したのですが、かの地では西湖の自慢をとにかくします。こんな湖が日本にはあるか(ないでしょう)と聞いてくるのです。

こたえは、「日本は山国で、湖はいくつあるかわからないが、数千、数万ではきかないでしょう。きれいなのが多いよ」

西湖は例の築堤などで4つに分割したり、過度に人工がくわえられています。向こうの人は自然というより、人の力を加えて景色を作るのがいいのだという考えのようですね。

脱線しましたがこちらは完全人工日本庭園の傑作です。
庭内の築山や池、構造物にはすべて江戸時代から名前がついていたようです。
根府川山もありました。

由来がかいてないので事務所に聞くと、所長がでてきて丁寧におしえてくれました。
相模の大久保加賀守の上屋敷だったそうです。そして膨大な庭石は根府川その他相模から持ってきた、一部は伊豆から運ばれたそうです。

何トンもある大石を遠くからよく運んだものですね。
大部分は海上輸送でしょうけど。

唐津山もあります。大久保家は九州の出らしいのです。
所長が故事来歴を研究しているのはうれしいことです。
久しぶりにお役人をほめてあげたい出来事でした。

お花見にお勧めスポットです。(150円老人70円)

蛇足 それにしても周辺の、○芝や○京ガスなどのビルの傍若無人ぶりは一流です。新幹線も庭園の敷地を削ったに違いありません。鉄道は最近線路をいじっていますが、地下にするようなことは考えなかったのでしょう。
文化国家なんていう言葉もありましたけどね。