今週のワイン関係のニュースで、一番記憶に残ったのが、山梨県産のワイン樽の話でした。
山梨県北東部にある丹波山村(たばやまむら)では、
地元のミズナラの樹でワイン用の樽をつくる、というプロジェクトがあります。
丹波山村は、東京都との境にある奥多摩湖の西に位置し、ワイン生産で有名な山梨県甲州市の北東部にあり、2021年4月1日現在の人口は540人という小さな村です。
統計を見ると、昭和35年(1960年)の人口は2,261人でしたが、そこから年々減少し続け、どう見ても過疎化が顕著。
自慢できるのは豊かな自然で、観光スポットとしては、道の駅「たばやま」や温泉施設、キャンプ場、釣り場、自然公園などがあります。
そんな丹波山村で、地元の木でワイン樽をつくる!という地域活性化プロジェクトが4年前からあり、完成した樽を、2021年4月13日に甲州市のワイナリーに引き渡した、というニュースが流れました。
丹波山村でつくったワイン樽の素材は、樹齢70年のミズナラだそうです。
ミズナラ?
ミズナラはブナ科コナラ属で、学名「Quercus crispula Blume」。
一般的に知られているワイン樽は、オーク、樫、といわれますが、オークはブナ科コナラ属の総称で、ヨーロッパでオークと呼ばれるのは、日本の落葉樹のナラ。
日本のミズナラでつくった樽は、繊細な風味を出すことから、近年は日本の国産ウイスキーの熟成樽としても人気が出ているとか。
ウイスキー樽がワインの熟成に使われる例はありますから、丹波山村のミズナラ樽がワインの熟成に使われてもおかしくはありません。
国産木材のワイン樽が使用されるのは、今回の丹波山村のミズナラ樽が初めての試みで、17樽が試作されました。
丹波山産のミズナラ樽の容量は18リットル(高さ約40cm、最大胴回り直径35cm)で、フランスのボルドー(225リットル)やブルゴーニュ(228リットル)と比べると、かなり小振りです。
18リットルということは、牛乳パック18本。
ワインボトルに換算すると、24本分です(24本×17樽=408本)。
ここのワイナリーの「白ワイン」が樽に入れられたようです
樽を引き渡されたワイナリーでは、約3カ月この山梨産の樽に山梨産のワインを入れ、外国産の樽に入れたワインと比較してみるそうです。
山梨産の樽に山梨産のワインを入れる、ということで、「オール山梨」のワインとなります。
さて、どんなワインに仕上がるでしょうか?
なお、丹波山村では、現段階では本格的なワイン造りは行なっていませんが、村の遊休農地等を利用して栽培したブドウでワインをつくり、村の新たな特産品としたい、という構想があり、山ブドウの苗の栽培に着手しています。
丹波山産のブドウ×丹波山産のワイン樽でつくったオール丹波山のワインが、近い将来、登場するかもしれませんね。
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