11月、イタリアの
wonderfud - ワンダーフッドというグループに所属する
ワイナリー6社が来日し、プレゼンテーションを行ないました。
wonderfudのセバスチアノ氏によると、ワンダーフッドは、イタリアのストーリーのある企業のコーディネートを行ない、海外に紹介しています。
つまり、来日した6社は、ワンダーフッドの厳選ワイナリーということ。
Sebastiano Bazzano -wonderfud
このプロモーションをサポートした
ソロイタリア代表の林茂さんは、
「日本にはイタリアレストランが一万軒あるけれど、
日本の食に入っていかないと、イタリアワインが日本のマーケットに浸透していかない。実際にまったく進んでいない現状だから、こういう機会に進めたい。
日本とイタリアには、さまざまな共通点がある。海に囲まれ、山海の新鮮な食材が手に入りやすく、素材にあまり手をかけずに食べる料理が多い。
そこで、今回は、
和食とイタリアワインとのマッチングを考えた」
ワインに慣れている人、日常的に飲む人にとっては、どんな料理が来てもワインと合わせる気マンマンだと思います(笑)
もちろん、私も和食にイタリアワインはまったく問題ナシです。
個人的な興味からいえば、同じ産地のローカルな料理とワインの組み合わせですが、日本にいて、日本の家庭料理を毎日食べている身としては、
普段から口にしている和食と合わせることは非常に実用的だと思います。
会場となったのは、東京・赤坂の鳥料理の店
「宵の口」。
さまざまな鳥料理が楽しめる店で、名物は鳥鍋
まずは
白ワイン3種を、前菜からの軽い料理に合わせます。
Sauvignon Piemonte DOC 2014 Cantina BOSCHETTI (Piemonte)
ボスケッティは、ピエモンテ州のアスティに近いモンフェッラートに2008年に設立した新しいカンティーナで、ブドウ畑は10haを所有。
若い女性が、自分の夢をかなえるためにつくったワイナリーだそうです。
この地では、1980年代から1990年代にかけてはシャルドネが多くつくられ、ソーヴィニヨン・ブランは少なかったそうです。しかし、シャルドネはどこにでもあり、アルネイスは閉じオリジナルの品種だから、と、アルネイスが増えてきたそうです。
このワインはソーヴィニヨン・ブラン100%。ソーヴィニヨンらしいソーヴィニヨンで、ハツラツとしたソーヴィニヨンの風味があり、ピリッとしています。甘ったるさはなく、しっかりした辛口です。アルコール度数は12.6%。
Greco di Tufo DOCG “Oltre” 2015 Bellaria (Campania)
ベッラリアは、イタリア南部のカンパーニャ州にあるワイナリーです。
ナポリの内陸部の方にあり、“伝統の中の革新”をコンセプトとしています。
というのも、今まであったものをすべてひっくり返して新しいワインづくりを始めたから。
このワインは、グレコ100%の白ワインで、ステンレスタンクのみで醸造。畑の標高は500~600m。
アタックに甘みととろみがあり、丸くてつるんとしています。ボリューム感があり、まろやかで、こくりとして、とてもおいしい!アルコール度数は13.5%。
“Lupara” Inzoria Sicilia IGT 2014 Cantina Modica di San Giovanni (Sicilia)
モディカ・ディ・サン・ジョヴァンニ社は、シチリア南東部のノート地区ブラフェーティという土地で2世紀以上にわたる歴史のある家族が経営しています。現在は7代目で、ワインとオリーブをつくっています。
エチケットに描かれているのは白い雌狼。昔、猟師が非常に大きな真っ白い雌の狼を撃ったという伝説から来ているそうです。
シチリア土着のインゾリア100%の白ワインで、こちらも醸造はステンレスタンクのみ。
柑橘のニュアンスがありますが、より完熟した感じがあり、コクがあって、うまい!
アルコール度数12.5%。
食欲を刺激する軽い冷前菜的な料理には、軽くて爽やかな
ソーヴィニヨン・ブランを。
ソーヴィニヨンの風味が爽やかで、味わいはキリッとした辛口なので、食事のはじめにさっぱりと合わせられます。
葛をまとったような、しっとりとした鶏と海藻を和え、ねっとりとしたテクスチャーの料理なので、こっくりトロみがある
グレコ・ディ・トゥーフォがよく合いました。つまり、しっとり&ねっとり系マリアージュ。
表面をカリッと香ばしく焼いた鳥のひとつは、オレンジの風味を付けています。手羽先は柑橘を絞っていただきます。
どちらも柑橘の風味が加わるので、ワインは、柑橘のニュアンスのある
インゾリアがピタリとハマりました。
シチリアの白い狼、素晴らしかった! - Cantina Modica di San Giovanni
後半は
赤ワイン3種で、すべて
ピエモンテ州になります。
左)
Nebbiolo d'Alba DOC 2014 CORNAREA (Piemonte)
中)
Barbera DOC 2012 Cantina PERTINACE (Piemonte)
右)
Barolo DOCG 2012 ERALDO VIBERTI (Piemonte)
Nebbiolo d'Alba DOC 2014 CORNAREA (Piemonte)
コルナレア社は、ロエロ地区のほぼ中心地のコルナレアと呼ばれる丘陵地帯に15haの畑を所有しています。
家族経営のワイナリーで、外部のエノロゴはいません。来日したピエルフランコさんの父(1月で80歳!)と弟(ジャンニさん)がワインづくりを行ない、ピエルフランコさんは輸出や広報を担当しています。生産量の70%を輸出しているそうで、輸出先は欧州が多いですが、アメリカ、ロシアにも輸出し、カナダにも輸出し始めました。日本にも輸出されています。(輸入元:有限会社アデッソ)
年間生産本数85,000本のうち、75,000本が白ワインだそうで、メインはアルネイス。
アルネイスは1400年代からロエロでつくられていた品種ですが、実は近年までは消えかかっていたそうです。
アルネイスを1970年代に入って復活させたのがピエルフランコさんの父だそうです。
白ワインが得意で、アルネイスが代表ワインというコルナレア社ですが、今宵のワインは、赤のネッビオーロ・ダルバ(笑)酸がフレッシュで、プチプチと弾けるような舌触りがデリケート。果実味と酸がジューシーで、じわ~んと口の中に広がります。
無理な抽出をせず、「自然に、シンプルにつくった赤。日常的に飲んでほしい」とピエルフランコさん。アルコール度数13%。これもいい感じ。
Barbera DOC 2012 Cantina PERTINACE (Piemonte)
ペルティナーチェは1973年設立の協同組合で、バルバレスコのトレイゾ地区の13の会員で構成されています。
バルバレスコ、バローロ、バルベラ・ダスティ、ドルチェット・ダスティを生産していますが、今回はバルベーラを紹介してくれました。
2012年はトラディショナルな年。少し遅摘みをして、酸をやわらげたそうです。
飲んでみると、酸がとてもなめらかで、スーッと入ってきます。フルーツの甘さがあり、とてもフルーティー。アルコール13.5%ですが、軽やかでかわいらしい飲み心地。
カンティーナ・ペルティナーチェからはイケメンのエノロゴが来日
Barolo DOCG 2012 ERALDO VIBERTI (Piemonte)
エラルド・ヴィベルティ社は、ランゲのラ・モッラ地区に6haの畑を所有する家族経営のワイナリーです。1987年からビオをめざし、除草剤や化学肥料を一切使わない栽培を行なっています。
年間生産量は、わずか26,000本。ブティックワイナリーです。
このバローロは、樹齢20-25年のネッビオーロからつくられています。発酵はステンレスタンクで、醸造は小樽で24カ月。年間生産量は6,000本と、ごく少量です。
タンニンがとてもキレイで、しなやか~。エレガントな凝縮感があり、これは本当においしい!アルコールは14.5%と高めですが、アルコールのニュアンスは感じさせません。
赤ワインには、お店の名物
「鳥鍋」を合わせました。
CORNAREAのピエルフランコさん
鳥鍋完成!
甘辛くて、汁があり、野菜たっぷりなので、
ワインは、タンニンがギシギシしていないもの、スーッと口の中になじむように広がるもの、心地よいフルーツの甘みと酸味があり、ジューシーなものが合うと思います。
ですから、今回のネッビオーロやバルベーラはいい感じです。
鶏肉は味が濃くて弾力があり、これも赤ワインとよく合いました。
シメは「きりたんぽ」で♪
バローロは合わないのでは…?と心配しましたが、なんのなんの、このバローロは見事に鳥鍋と合いました。タンニンがしなやかなバローロだったからですね。
高級ワインのバローロは、普段はめったに飲む機会がありませんし、開ける時には、料理をどうしようかと身構えたりしますが、鳥鍋も余裕でアリですね。
別腹の和スイーツ
芋あん?の最中
皆さん、ありがとうございました!
年末年始は、
家でゆっくり和食、鍋、お正月料理、という方も多いかと思います。
もちろん、日本のお酒もいいですが、
イタリアワインという選択肢も面白いかもしれません。
ワインを飲む時は、頭を柔軟に、ね
wonderfud
http://wonderfud.it/en
鳥料理 宵の口
http://www.yoinokuchi.com/