【人工股関節置換】いよいよ入院!手術へ から続きます
入院から3日目、ようやく手術日を迎えました。(2020年6月実施)
前回の膝の半月板手術は入院の翌日に手術しましたが、今回は入院の翌々日です。
1週間の中で、担当医師による手術の曜日が決められていたからです。
前日に伝えられていた時間は昼の12時。
予定時間が近くなると、看護師さんが来て、不織布のシャワーキャップのようなものを被らされ、手術する反対側の足(右)に、加圧ソックスを履きました。
加圧ソックスは血栓を防ぐためのもので、過去の手術でも履かされていたので、お馴染みです。
ソックスにはサイズがあり、入院直後にふくらはぎの太さを計測されていたので、私に合うサイズのはずですが、かなりピッチリしています。このピッチリ感が重要なのだと思います。
移動前に、念のためにトイレへ。
すでにティージーパンツ(前回のリポート参照)を履いていたのと、すでに点滴につながれていたので、このパンツの上げ下ろしに苦労しました。
間もなく12時というところで、いよいよ手術室に移動です。
TVドラマだと、ベッドに乗せられて手術室へと移動しますが、現実は、徒歩での移動です(笑)
点滴のスタンドを持ち、看護師さんと一緒に手術室のあるフロアまで歩いて移動します。
歩けない人の場合は車椅子。
ベッドで移動するのは、車椅子にも乗れない場合だと思われます。
なお、通常は家族が手術室の前くらいまで一緒に行くことが多いですが、コロナの時期ということもあり、付き添いはNGでした。
私はもともと付き添いなしで、と申告していて、医師も、全然問題ないですよ、ということでしたので、ひとりで臨みました。
手術室のフロアに到着し、看護師さんと一緒に受付を済ませると、手術室担当の看護師さんに連れられ、麻酔のための手術室に入りました。
小ぶりなベッドがあり、ここで麻酔処置が行なわれます。
自分でベッドに乗り、麻酔医や看護師さんの指示に従い、身体を動かします。
手術する部位、内容の最終確認もしっかり行なわれ、「左股関節の人工関節置換です」と自分で伝えました。
間違いがあっては困りますからね。
まずは、大きなシートがかけられ、手術着を脱がされました。
ティージーパンツは履いたままです。
手術室は冷房が効いていてひんやりしていたので、足元にバスタオルをかけてもらえました。
その後、血圧計や心電図など、麻酔監視モニターが着けられました。
改めて体重も聞かれました。
いよいよ麻酔です。全身麻酔になります。
最初に、背中に麻酔の管を通しました。
横を向いた状態で背中に針が刺され、これはけっこう痛い!
ピッと刺してすぐ終わり、ではなく、刺した後の処置に意外に時間がかかっていたように思います。
ここから色々な薬が注入されましたが、冷たい液が入ってくるのがわかります。
「けっこう痛いですね」と麻酔医と会話しながら、背中側からの分は完了。
次にあおむけになり、今度こそ口からの麻酔です。
「医:30秒くらいでかかりますよ」「私:そうなんですか」と麻酔医と会話していたのは覚えていますが、次に声をかけられたときには手術は終わっていました。
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目覚めたのは、手術室から病室へ移動するベッドの中でした。
病室の自分のベッドが手術室に運ばれ、術後はそのベッドに寝かされての移動です。
移動でグルグル回されたせいか、例のめまいが起き、強い吐き気が…
吐き気があまりにも酷いので、吐き気止めを点滴から入れてもらいました。
その際、声を出そうとすると、喉の奥がイガイガして違和感があり、声がかすれました。
麻酔のチューブを気管まで挿入したためだそうです。
手術の際に身体を動かすような場合、口元に当てるだけの麻酔では、外れてしまうからでしょうかね。
また、手術後の痛みを抑えるための薬は、早い段階でもらうようにしているのですが、今回は勝手が違いました。
「ボタンを押したら痛み止めが注入されます」と、ブザータイプのボタンを渡されました。
ほお~、今はこんなものがあるんですか。
うう、痛い、という時に、何度もカチカチ押しましたが、立て続けに何度押しても、決まった量しか注入されないようになっているみたいです。
そういうものがない場合、酷く痛む時は早め早めに言うことをオススメします。
痛み止めの投与には、ある一定の時間の間隔が必要な場合もありますが、早めに投与してもらうと、その効果が切れた時の痛みはすでにピークが過ぎていることがあるからです。
痛みはガマンしない、これ大事です 
手術が終わって病室に戻ってきたのが、16時過ぎくらいでしょうか。
担当医から、約1時間半の手術だったこと、出血量は非常に少なく、100mlほどと説明されました。
出血に関しては、この手術を受けるにあたって心配していたことのひとつでした。
が、少なかったと聞き、ほっとしました。
まあ、手術が終わって会話できている時点で、無事に終わったわけですが(笑)
事前に採取した800ml(400ml×2パック)の自己血は使われることがなかったので、手術室から自分の病室に戻って少し落ち着いた時点で、まず400mlが点滴で戻されました。
最初から刺されている点滴とは反対側の手(左)の甲に新たな点滴針を刺され、自己血が戻されます。この時点で、左右の手に点滴針が刺さってます。
自己血が使われなかった場合は、他の人に使うことなく適切に処分される、ということでしたが、自分に戻ってくるんですね。
もう1パックの自己血(残り400ml)も、翌日、点滴で戻ってきました。
私が手術した病院では自分に戻されましたが、病院によっては別の処理がされる場合もあるかもしれません。
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手術後、上半身は点滴でつながれていましたが、下半身は上の写真の状態でした。
写真は手術の翌朝に撮ったものです。
手術したのは左で、右足に履いているのは加圧ソックス。
両足とも、なんだかよくわからない装置に前日からつながれていて、夜通し、一定の間隔でポンプで両足に圧が加えられていました。
身動きできず、足も動かせない状態なので、血栓予防のための加圧だと思います。
なお、動けませんから、尿道カテーテルが入れられてます。
10年ほど前に全身麻酔で手術した時も、尿道カテーテルを経験していますが、けっこう痛かったので、ああ今回も…とヒヤヒヤしていましたが、なぜか今回はまったく違和感なし!つけ方が上手だったんでしょうか(笑)
尿道カテーテルは、車椅子でトイレに行けるようになると外してもらえます。
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手術にあたってのもうひとつの心配、麻酔から目覚めない、というのも、今回もただの心配に終わり、ほっとしました。
麻酔から目覚めない例は、友人の知人がそうだった、という話を聞いたことがあるので、全身麻酔での手術を受ける時は心配になります。
ただ、そうしたことが起きる確率は非常に低く、多くの手術を手掛けているこの大病院のスキルを考えると、ほぼほぼ大丈夫だろうとは信じていました。
それでも、目覚めなかったら…という不安はゼロではありませんでした。
全身麻酔に関する合併症の危険度は、全身的な合併症(高血圧、肥満、糖尿病など)を持っている人ほどリスクが高くなるとのこと。
私の場合、それらはまったく問題なし。
「肥満」については、術後に開始されるリハビリにも大きく関わってくるので、ちょっと体重が重めという方は、入院するまでに体重を落としておく方がいいかもしれません。でも、無理なダイエットは禁物です。
麻酔に関することでもうひとつ注意すべき点は、麻酔が合わない体質の人がいることです。
麻酔により体温が異常に上昇し、全身の臓器障害(悪性高熱症)を起こす人が、2万人~6万人に一人の頻度で発生することがあります。
これは遺伝的なものらしく、入院時の説明の際に、家族や親戚にそういう状態になった人がいないかを聞かれました。
これまでに全身麻酔で手術を受けた経験があり、問題なかった人は、この心配はしなくて大丈夫だと思います。
私もこれまでに何度か全身麻酔の手術を受けて問題なかったので、悪性高熱症の心配はしませんでした。
それでも、術後は熱が多少なりとも上がります。
病室に戻ってきた時点では平熱でしたが、夜になってどんどん上がっていきました。
でも、せいぜい38度台。熱はだんだん落ち着いていきます。
熱に伴い、喉が渇いてきました。
まだお水飲めないですよね?と看護師さんに相談すると、聴診器でお腹の音を聞き、まだダメですと言われました。
お腹が動いでこないと、口に入れられないそうです。
しばらくして次に訴えた時は、お腹が動くのが確認でき、夜、OKが出ました。
ただし、少しずつチビチビ飲むこと。
はあ~、生き返りました~ 
(続く)
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