レストラン紹介をしていたら、やっぱりワインが気になってしまったので、
シャンパーニュ をひとつ紹介します。
シャンパーニュはハレの席で飲むことが多いですが、
特にお正月のお祝いの席にオススメ します。
華やかな気分になれる、というだけでなく、
シャンパーニュはお正月の料理に幅広く合う からです。
お正月の料理は、海の幸、山の幸、ありとあらゆる食材を使った料理が並びます。
それに合わせて、白ワイン、ロゼワイン、赤ワインそれぞれを選んでいくよりも、シャンパーニュなら1本で通すこともできるスグレモノだからです。
とはいっても、シャンパーニュも多彩ですので、
「Champagne Boizel」 (ボワゼル)を例にとってみましょう。
ちょうど先月、オーナーのマダム エヴリーヌ・ロック=ボワゼルさんが来日し、ボワゼルのシャンパーニュを紹介してくれました。
ボワゼル5代目 エヴリーヌ・ロック=ボワゼル さん
1834年、ボワゼルは仏シャンパーニュ地方のエペルネの中心地に、オーギュスト・ボワゼルと妻のジュリーによって創設されました。
その後、代々彼らの子孫が受け継ぎ、1945年、第二次世界大戦後にはエヴリーヌさんの父ルネがボワゼルの4代目を継ぎました。
1972年、ルネの息子であり、エヴリーヌさんの兄であるエリックがご病気で亡くなると、ルネの妻であり、エヴリーヌさんの母であるエリカが会社を継ぎます。エヴリーヌさんと夫のクリストフは別の仕事をしていましたが、実家のためにボワゼルの経営に加わります。
その後、エヴリーヌさんが5代目として社長になったのは1984年です。
1994年には、ブリュノ・パイヤールとフィリップ・バイジョが設立したグループに参加し、現在、グループは「Boizel, Chanoine, Champagne -ボワゼル、シャノン、シャンパーニュ」と名乗っています。
ボワゼルがシャンパーニュづくりで大事にしていることは大きく3つあります。
ブドウを選ぶこと
ブドウは約50の村から購入し、その大部分はグラン・クリュとプルミエ・クリュ。
アロマを守ること
土壌や気候から来る繊細なアロマを最大限に発揮できるようにする。
キュヴェをブレンドする際のキーワードは“バランス”。
時間をかけること
瓶詰めまでにもじっくり時間をかけ、瓶内熟成は最低3年以上。
左)
Boizel Brut Millésime 2002 右)
Boizel Joyau de France 2000
「ミレジメ(年号入り)は秀逸な年のみ造ります。最高のブドウを使い、より長く熟成させます」
と、エヴリーヌさん。
2002年 はピノ・ノワール55%、シャルドネ35%、ピノ・ムニエ10%のブレンド。
「その年の個性+好みのブレンドにより、ボワゼルスタイルが生まれる」と、エヴリーヌさん。
ピュアでエレガント、繊細なタッチのシャンパーニュです。ドサージュ8g/L。
“ジョワイヨ・ド・フランス” は、とりわけいい年につくられるスペシャル・キュヴェ。
最初のヴィンテージは、当たり年の1961年でした。
2000年 はモンターニュ・ド・ランスのピノ・ノワール60%、コート・デ・ブランのシャルドネ40%。
熟成期間は非常に長く、デゴルジュマンまで12年だとか?
「より限定されたセレクション。豊かさ、複雑さ、優雅さを追求」と、エヴリーヌさん。
ミレジメよりも力強く、なめらかなボディの持ち主でした。ドサージュ8g/L。
左)
Boizel Cuvée Sous Bois 2000 右)
Boizel Cuvée Sous Bois 1990
“ス・ボワ” は、さらにまれな年にだけつくられる特別品。
“伝統のシャンパーニュへの回帰”をコンセプトとし、20世紀初頭からの伝統である古い205リットルのシャンパーニュとブルゴーニュ樽で醸造しています。
Boisは木材の意味、sousは下ですから、Sous Boisは“樽を使って醸造”を意味するとのこと。
1980年代の最初の頃、ベースワインのクオリティを上げるため、樽を使ってみたところ、シャルドネの香りがクリアになり、味わいがピュアになることに気付いたそうです。しかも、グラン・クリュのブドウのみ樽の恩恵を受けるのだとか。
そこから、20世紀の最初の頃に行なわれていたように、ブレンドするシャンパーニュに樽を使っていきたい、ということになったのだそうです。
つまり、エヴリーヌさんの祖父母が飲んでいたということを想定したシャンパーニュなのです。
2000年 は、モンターニュ・ド・ランス(アイ、マイイ、マルィユ・シュル・アイ)のピノ・ノワール50%、コート・デ・ブラン(シュイイ、ヴェルテュ、クラマン)のシャルドネ40%、シニー・レ・ローズのピノ・ムニエ10%。ドサージュ5g/L。
収穫翌年の7月の瓶詰めまで9カ月樽熟成後、瓶内熟成12年。
しなやかですが、1本芯が通り、内側に強いものを秘めているのを感じました。
1990年 は、モンターニュ・ド・ランス(アイ、マイイ、マルィユ・シュル・アイ)のピノ・ノワール52%、コート・デ・ブラン(シュイイ、ル・メニル、ヴェルテュ)のシャルドネ48%。ドサージュ8g/L。
収穫翌年の7月の瓶詰めまで9カ月樽熟成、瓶内熟成何年?かなり長そうです。
1990年は長い間閉じていて、1年に2回の試飲を続けてきたところ、1998年になってようやく開いてきたので、1999年に発売することになりました。
1990年は2000年の10年前ですが、10年の差があるとは思えないほど、力があります。
しっとり落ち着き、複雑でコクがあり、これは極上の白ワインです。
もう24年前のシャンパーニュですが、ボワゼルではバックヴィンテージのワインを持っており、少しずつ市場に出しているとか。
Boizel Joyau de France Rose 2004
ジョワイヨ・ド・フランスのロゼで、ピノ・ノワール64%、シャルドネ36%。
ピノ・ノワールのうち10%は赤ワインとして醸造されたもの(リセ産)です。
熟成期間8年、ドサージュ4.5g/L。
淡い色合いが上品です。ベリー類の香りが優雅で、泡のキメが細かく、複雑で繊細。
ドサージュが他のキュヴェと比べて少ないですが、デザートと合わせてもバランスよく、うっとり。
ジョワイヨはボトルの形も華麗で美しいので、お祝いの席や贈り物にもピッタリ。
特にロゼは華やかさがあり、乾杯からデザートまで幅広く活躍できるので、イチオシです。
その他にもラインナップが充実
透明ボトルで色がわかりやすい
ノンヴィンテージのロゼ、キリリとキレがあり、同時にコクも備えているシャルドネ100%の
ブラン・ド・ブラン、力強いのに気品あるピノ・ノワール100%の
ブラン・ド・ノワールもオススメです。
ボワゼルの歴史の中で、・・・4年という数字がよく出てきます。
2014年は、創設から180年、エヴリーヌさんが社長になって30年、ボワゼル、シャノン、シャンパーニュグループに参加して20年、という記念の年だったんですね。
20年後の2034年は、創設200年、エヴリーヌさんの社長就任50年を迎えます。
その時も、また一緒にお祝いできるでしょうか?
(輸入元:ピーロートジャパン株式会社)