さまざまなワインのコンクール、審査会が、世界中で行なわれています。
日本でもいくつか国際ワインコンクールが行なわれていますが、その中でも代表的なコンクールが、
「ジャパン・ワイン・チャレンジ」(Japan Wine Challenge、通称JWC)でしょう。
JWCは、国際的にもトップクラスの審査員を迎え、世界中からエントリーされたワインが審査されます。
2017年で第20回となる「第20回JWC 2017」は、2017年8月15-17日にコンラッド東京で行なわれました。
この
JWCの副審査委員長を務める田中克幸さん(ワイン評論家)が、同コンクールの審査方法、審査基準について書いていた記事がFacebookにあり、興味深く読ませていただきました。
というのも、私が以前、ある海外の国際コンクールの審査員を務めた時に感じたことが書かれていたからです。
私が参加した国際コンクールでは、8人ほどのテーブル単位で審査が行なわれました。
私のテーブルは、私だけが日本人で、他はアジア、東南アジアの方で、30~40代の男性ばかり、テーブルリーダーはアラフィフ男性でした。
もちろん、皆さん、それぞれワインのプロフェッショナルで、各国を代表して参加しているわけですが、3日も一緒にいると、ある特徴を持つワインに高い点数を与える傾向があるように感じたのです。
例えば、樽をしっかり使ったパワフルな赤ワイン。
樽香プンプンで、ワインそのものの個性がマスキングされている、と私は感じ、中程度の点数をつけましたが、評価の最高点と最低点は切り捨てられるため、結果として高得点を獲得し、金賞となりました。
むむ? これでOK?
たしかに、一般受けする味かもしれないけれど・・・
そもそもの審査基準や価値判断基準が、明確化、共有化されていなかったような・・・?
今、改めて感じるのは、
審査の前に判断基準についてのレクチャーがあれば良かった、ということです。
おそらく、この国際コンクールだけではないと思います。
XXコンペティション、XXアワードetc...と、数多の審査会がありますが、
どういう価値を持ったものを、どのように評価しているのか? を表に出している審査会は少ない(ほとんどない?)ような?
このコンクールでは、これこれこういうワインが高い評価を受ける、ということが、審査員、ワイン生産者、インポーター、消費者に示されることで、初めて、金賞、銀賞、プラチナ…という結果が意味をなし、信頼性を増すを思います。
ワインショップに並ぶワインを見ると、「XXコンクール金賞」といったシールの貼られたワインをよく見ますが、じゃあ、それはどういう選ばれ方をしたワインなの?って、気になりますよね?
色々な金賞シールを見るにつけ、そんなことをいつも考えていた私ですので、JWCの審査についての田中さんの記事を読んだ時に、大いに頷かされました。
田中さんが書かれていた内容は非常に長く、ボリュームがありますが、共感した点をざくっと挙げておきます。
●審査という行為の本質的前提が整備されていないことに大きな疑問を感じた田中さんは、その賞が、どういう基準によって与えられたものなのかという前提を知らないでは消費者と正しいコミュニケーションができない、と考え、今年初めて、JWC関係者全員が一定の価値判断基準を共有する「ヴァリュー・シェアリング・セッション」というミーティングを開催した。
●あるワインを他のあるワインより優れているとする根拠の提示ができないなら、金賞も銀賞も無意味
●価値判断基準を共有する努力を主催者側もすべき
いや~、本当にそう思います。
また、ワインだけでなく、どんなコンクールにもあてはまりそうです。
もっと詳しく知りたい方は、田中さんのFacebookページをご覧ください。
8/11の投稿
https://www.facebook.com/nh.winesalon/posts/1625345777497622
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