さて今年のブログも奥の細道の続きからぼちぼち始めましょうか。
もう昨年になってしまいましたが12月の晴れて気持ちのよい日に仙台を散策しました。
奥の細道の足跡を訪ねてからは何回も仙台駅に降り立ちました。
しかし今回初めてはやぶさに乗車しました。
「はやぶさ9号」新青森行きです。東京駅を9時8分に出発すると上野、大宮に停車しただけで仙台駅には10時40分に到着しました。
速いですね。ちなみに芭蕉は旧暦3月27日に千住を出発して5月4日(太陽暦6月20日)に仙台を訪問しています。
12月ということもあって駅のコンコースはクリスマスモードでした。
青葉通りのケヤキ並木も冬景色です。
司馬遼太郎さんが昔の本ですが「街道をゆく」にこう書いています。
「仙台駅の駅前の空間は世界のどの都市にもない造形的な美しさがある。歩行者廻廊がセピア色の駅舎をもうひとつ淡くして、橋の側面材は自然石のような材をつかっている。
橋の路面もゆったりしている。タイルの色は数色もちいて、ほどこされている縞模様は淡い紫色で、印象派の陽かげをおもわせ、まことにむねがひらけてくるようなあかるい表現になっている」
まずは仙台駅から見て東側を歩いてみました。
仙石線の地下になっている榴ケ岡駅から地上に出ると榴岡天満宮(つつじがおかてんまんぐう)の案内板がありました。
仙台から松島.石巻方面に向かうときには普通は仙石線で行きますが一部は東北線経由でもいけます。
仙台駅で間違えて東北線でも途中まで一緒かと思って乗ってから車掌さんに天満宮に行くのには地下ホームからだよと言われました。気をつけましょう。
道真公は本当に日本人に愛されていたんですね。日本の各地に天満宮が鎮座されています。
みんながみんな頭がよくなりたいと思っているわけでもないでしょうから「学問の神様」だけではわりきれないようです。
天神様と言えば梅の花ですが秋はイチョウも清々しいです。
1667年に伊達藩13代伊達綱宗公が現在の仙台東照宮のある地からつつじが岡に移して造営し「杜の都の天神様」として慕われています。
芭蕉は5月7日(陰暦)に参拝しています。本文を参照してください。
天神様の隣にある榴岡公園です。何処にでもあるような公園ですが寒々とした影が面白いので撮りました。
公園の隅にある仙台市歴史民俗資料館です。
早速入館しました。
館内は農村の暮らしとか戦時中の様子が展示されています。
ガイドさんにこれは「十符の菅(とふのすげ)」で作られたんですかと尋ねたらいやいやと笑っていました。
資料館は現存する宮城県内最古の洋風木造建築です。かつては旧陸軍歩兵第四連隊宿舎で明治37年当時の外観構造に復元保存しています。
そういえば仙台は帝国陸軍の第二師団があった町です。
浅田次郎さんの名作「終わらざる夏」という小説を思い出しました。
満州の戦線で戦っていた主人公の一人大屋戦車中隊長と仲間は突然千島列島の最果ての島「占守島(シュムシュ)」への転戦を命じられます。
朝鮮半島から日本海を渡り、山陽本線、東海道線、東京では主人公の一人片岡編集者も今まで戦争には縁のなかったような年齢だったのですが召集されこの列車に乗車します。
そして常磐線を通って仙台駅に到着します。蒸気機関車に牽引されて木の遠くなるような旅です。
車窓は全部ブラインドが下ろされ懐かしい太平洋の景色さえちょっとしか見られません。
仙台駅では第二師団に召集された人たちが下車、また青森の師団に向かう人たちの乗車など混乱を極めます。
蒸気機関車だって運転手だって交代はしていますが疲労困ぱいです。蒸気機関車だって口がきけたら「あたしゃ疲れましたよ」というでしょう。
混乱も収まり夜半に疲れ切った人々を乗せて出発しますがすぐに空襲警報で郊外の山中に停車します。
町の方を見ると空襲で赤々と燃えていて後から大勢の人が亡くなったことを知ります。
空襲にあわなくて良かったのですが・・・。主人公たちは何とか根室まで着いてそこから舟で占守島に赴任します。
しかし終戦になったにもかかわらずロシア軍が攻めてきてみんな戦死してしまいます。本当にかわいそうな話です。(一部実話)
本当に戦争はいけません。国と国とでどんな悔しいことがあってもまずは戦争はしないという前提で交渉してほしいものです。
ある意味北朝鮮は戦略が上手だなと思います。日本人はすぐに頭にきて」真珠湾なんか攻撃したけれど。
さて次は芭蕉も立寄った陸奥国分寺野「薬師堂」に向かいます。ここから少し南に下った場所です。
途中宮城野原公園総合運動場の中にあるKoboパーク宮城の前に出ました。
仙台と言えば楽天イーグルスですね。シーズン中は賑わっているのでしょう。
イーグルスの諸君も千葉マリンスタジアムに遠征してきた時にはそんなに頑張らなくてもいいからね。
野球場のある街は親しみを感じます。ここはパリーグだからなおさらです。
さて「薬師堂」の紹介は次にします。これから歯医者を予約してありますので帰ってくると不愉快な気持ちでしょうからうまく書けないと思います。