羽越線羽後亀田駅に下りてみました。
昭和49年野村芳太郎監督(原作:松本清張)丹波哲郎、加藤剛、そして若き日のわが千葉県知事の森田健作などが主演している「砂の器」のロケ現場になった駅です。
映画の景色も奇麗だったし戦中、戦後の混乱期に一人の若者の成功と挫折がものすごく印象的でした。
また戦時中にもかかわらず駐在さんが行き連れの親子の世話をして病気の親は療養所に入れて外地では戦争やっていても秩序が保たれていたんだなと思いました。
一応切符を売っている女性がいました。お客も数人いましたが電車に乗るのではなく駅前にコミニティバスが来たらみんな乗って行き誰も居なくなりました。
さて物語は蒲田駅操車場で遺体が発見される所から始まます。
手がかりは何もなく犯人と被害者が蒲田のトリスバーで飲んでいたことが分かります。
ホステス(当時は女給)すみ子がチラリと二人の会話の中で「カメダは今も相変わらずか」とい会話を聞いたと話す。
カメダは人の名前か地名かと考えているうちに秋田に羽後亀田があることが分かり刑事の丹波(西刑事)と森田(吉村刑事)が捜査に出かけます。
上野発21時の急行「羽黒」で羽後本荘経由13時間かかって羽後亀田駅に到着します。
通常の座席で(ボックス席)の出張ですから大変ですよね。西村京太郎シリーズの十津川警部と亀井刑事みたいにすぐに新幹線かなんかで行くのは楽ですよね。
駅を降りても何もなくて駅前の食堂に入って森田がかつ丼を食べていたら丹波が「君は若いから食欲あるねぇ」などとの台詞があります。
町は駅から2kmぐらい離れています。
その森田健作も来年は70歳です。いつまで県知事やるんですかねぇ。
結局調査は間違いでその後全国に話が飛びます。この辺が面白い。
言語学者なども出てきて東北地方独特の濁音の多いなまりは中国地方の一部でも使われているということが分かる。
そして島根県の山奥に亀嵩と言う場所があります。そろばんの産地。映画の中では素晴らしい農村の風景です。
まだ行ったことがありませんが一度行きたいなと思っています。
亀嵩のあとは伊勢、名古屋とロケ地になって行きます。そして究極の殺人の動機が分かって行きます。
駅前に観光マップがありました。
駅から341号線を2kmぐらい歩くと岩城の城下町みたいです。
そこまで行けばロケ場所の朝日屋とか龍門寺なんかが見られるかもしれません。
しかしタクシーなんか呼んでもいつ来るかわからないし9月と言うのに滅茶苦茶暑くて歩く気もしません。
いつものように手頃の場所にて撤収です。
戦時中だったらご隠居が小隊長ぐらいでも(もっとも根性ないからいつまでも一兵卒でしょうが)すぐに撤収の号令を掛けそう。
いつまでたっても勲章なんかもらえそうもありません。
秋田行きの列車を待っていると何本も貨物列車が通りました。
地方に行くと旅客よりも貨物の方が元気です。
やっと来ました。2両編成の秋田行きです。
何処に行ってもこんな感じです。イライラしてはいけません。のんびりと。
そういえば「砂の器」の主人公は老後、警察官を辞めて予定を決めないで全国を旅行していたのでなかなか本人を特定できませんでした。
ご隠居もあっちこっちふらふらしているのでどこで交通事故で死んでもいいように身分証明書だけは携帯していきましょうかね。