やっと羽黒山にやって来ました。
鶴岡市内から行くと大きな鳥居が見えてきました。
反対側を見ると鳥海山に雲がたなびいています。
社務所のある手向(とうげ)に着きました。
まずは「いでは文化記念館」に入ってみましょう。
出羽三山の山麓に広がる村々の神事、祭事などが紹介されています。
羽黒山伏の実寸大の人形や芭蕉一行が月山で一夜を過ごしたといわれる小屋のレプリカなどに興味がわきました。
なお館内は撮影禁止です。
出羽三山を訪れた後、大日坊などに寄りますがそこではこの地方に即身仏のミイラが何体も作られたことの説明を受けました。
羽黒山伏が吹くほら貝の音色には衆生の迷夢を覚し諸悪を祓う力があると言われています。
とりあえず記念館を後にして出羽山神社を目指しましょうかね。
隋神門
ここから山頂まで約2kmの参道です。樹齢300年から400年の杉が生い茂り、石段は2446段です。
前置きはいいかげんいしてミシュラン・グリーンガイド・ジャポン三ツ星に認定されているこの参道を登ります。
継子坂
さぁ登るぞ!と気合を入れて鼻の穴おっぴろげていくとまずは下り坂でした。
登る途中に日本全国の神様が祀られています。
祓川神橋を渡ります。
撮影ポイントのひとつ須賀の滝が見えました。
お堂の後ろに流れ落ちる滝はなんだか神々しい。
やがて一の坂の入り口に五重塔がそびえ建っています。
素木造り、柿葺、三間五層の作りは森閑とした緑の中に均整がとれていて優美な姿に感嘆です。
こんな山の中にだれに参拝してもらおうと思って建造したのでしょうか。
場所を変えて撮ってみました。
東北では最古の塔だそうです。国宝。平将門の創建ですとのこと。
昔JR東日本のCMでライトアップされたものが放送されていました。
こんな東北の山中で妖しく輝く五重塔の夏の夜を体験してみたいですね。
更に登ります。
木々の間から庄内平野が見えます。汗を拭いていると爽やかな風が吹いてきます。
やっと二の坂茶屋(名物力餅)の看板が見えてきました。
ここまで来ると半分です。
眺めが良さそうだし息も切れているので客引きなんかいなくても倒れこむように入りました。
早速賞味しましょう。
抹茶を飲んで、餅を食べてお茶を飲んで、いやまだのどが渇くとペットボトルの水を買いました。
牛飲馬食と言いますが馬のように水を飲んでいるようだと思いました。
もっとも馬も「あたしだってそんなには飲みませんよ」と言われそう。
せっかくだから素晴らしい景色も堪能しましょう。
景色を見ていたら(アンケートみたいなものに名前を書いておいたので)・・・。
認定書をいただきました。
よく読むと道半ばなのにもう踏破したことになっています。
途中まで行って戻って来たらこの認定書は返すのか聞いてみたくなりましたがそんな軽口をきく雰囲気でもないので止めました。
さらに階段は続きます。
羽黒(羽黒山)
6月3日、羽黒山に登る。
図司佐吉と云う者を尋ねて、別当代会覚阿闍梨に謁す。
南谷に宿して、憐愍(れんみん)の情かまやかにあるじせられる。
(何くれと憐みの情をふかくしてもてなされた)
4日、本坊において誹諧興行。
有難や 雪をかほらす 南谷
(この南谷は下界の暑さを忘れるような真夏の風だが残雪の香りをもって吹いているので涼しい。ありがたいことです)
5日、権現に詣。当山開闢(かいびゃく)能除大師は、いづれの代の人と云事しらず。
(この羽黒神社を開山した大師はいつの時代かわからない)
延喜式に「羽州里山の神社」と有。書写、「黒」の字を「里山」となせるにや。
(書写の際に、黒の字を誤って里山に下のでしょうか)
羽州黒山を中略して羽黒山と云にや。
出羽といへるは、「鳥の毛羽を此国の貢に献る」と風土記に侍とやらん。
(出羽としたのは「鳥の羽毛をこの国の貢物として献上したからだ」と風土記に書いてある)
月山、湯殿を合わせて三山とす。
当寺武江東叡に属して、天台止観の月明らかに、円頓融通(えんどんゆずう)法の灯かかげそいて、僧坊棟をならべ、修験行法を励まし、霊山霊地の験効(げんこう)、人貴且つ怒る。
(武蔵の国江戸の東叡山に所属して、天台宗の止観の観法は月の曇りなきがごとく明らかに輝き、円頓融通(えんどんゆずう)を教義とする法を盛んにしている)
繁栄長にして、めで度御山と謂つべし。
(繁栄は永久に続くべく、まことに素晴らしい山です)
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