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日本のいちばん長い日ー半藤一利

2021年11月19日 | 読書

評価5

再読(前回2019年1月30日)。
昭和20年8月14日正午から15日正午までの政府・軍部の動きを1時間毎に克明に描き出した珠玉のドキュメント。降伏のあり方を巡って対立を極める内閣、宮城を占拠し徹底抗戦の貫徹を謀る青年将校たち、玉音放送の収録に立ち会う放送人、終戦時の混乱と生き様が生々しくよみがえる傑作。

北部満州、南樺太、千島の守占島へソ連軍が侵攻する中、終戦はすんなり進行したわけではなかった。7月27日のポツダム宣言を受けて開かれた8月9日の御前会議は「受諾」と「徹底抗戦」で意見が対立し、天皇の聖断を経て8月14日に「受諾」と決定、玉音放送を行う運びとなった。しかし、そんな中、畑中少佐を中心とした青年将校は「徹底抗戦」を声高に唱えニセ詔勅により近衛師団をもって宮城を包囲、横浜警備隊長の佐々木大尉は重臣の抹殺を企み東京へ向かい、航空隊厚木基地は「徹底抗戦」のための籠城への準備を始めるのであった。

知られざる「日本のいちばん長い日」がそこにあった。まさに傑作である。日本人なら知っておくべき歴史がそこにある。




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