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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

一高、二日がかりの勝利!

2017年04月30日 | '17夏チームの球跡
春季高校野球盛岡地区予選1回戦(引き分け再試合)


延長15回引き分け再試合、今日ももつれた試合となったが7回一高が3点差をひっくり返し逆転勝利!5月2日の盛岡中央との代表決定戦に駒を進めた。

3点差を追う一高は7回、一死満塁とし2番代打の内田主将が押し出し死球となり2点差。3番青砥の当たりがセカンドゴロとなる間に三塁走者が生還して1点差。続く4番古里の見事なライト前タイムリーで同点!二死一三塁となり一高ベンチがダブルスチールを敢行すると、盛工捕手が二塁に送球する間に三塁走者が一瞬早くホームを踏みついに逆転!

一高の先発・大矢が6失点も、6回途中から登板した城戸が昨日同様無失点に抑える好リリーフ!この守りのリズムが7回の逆転劇を生んだと言ってもいいだろう。素晴らしいピッチングだった。打線は3安打と迫力にかけるが相手のミスも味方にしての逆転勝利に気を良くして次戦に力を発揮してもらいたい。

盛岡中央には、ここ数年「大事な一戦」で敗れている印象しかありません。なんとしても勝利して、2015年以来の県大会出場を果たして欲しいと思います!

頑張れ!盛岡一高!!!

【追伸】
5月2日は残念ながら速報できません。と、いうか、残りの試合は全部八幡平球場なので行けないと思います。したがって速報+戦評はナシになります。悪しからず・・・


一高の初戦、延長15回引き分け再試合!

2017年04月29日 | '17夏チームの球跡
春季高校野球盛岡地区予選1回戦(延長15回)


※1回~10回は
盛工 000 010 240 0
一高 010 101 004 0


一高が先行した試合は、盛工が終盤一高守備の乱れに乗じて逆転。しかし、最終回、盛工投手の制球が突如乱れ一高が同点に追いつき延長突入。延長に入ると、リリーフ登板の一高・城戸、盛工・田屋が踏ん張りお互いに得点を与えずついに延長15回引き分け再試合!一高は2度あった満塁サヨナラの好機を生かせなかった。

4点を追う一高9回裏の攻撃は見事だった。
1番山内、2番(代打)千葉、3番内藤が四球で歩き無死満塁。今日、ここまで当たりの出ていなかった4番青砥の渋いセンター前タイムリーで2人が返り5-7。5番白簱がきっちり送りバントを決めた後の6番古里のタイムリーで6-7。そして7番日影の内野ゴロ一塁送球の間に三塁走者がホームを踏み、ついに7-7の同点!

一高の先発古里は低めの制球が安定して成長の跡を見せた。続く奥も踏ん張り、延長を無失点で抑えた城戸の巧みな投球も光った。打線は好不調の選手がはっきりしていて少しちぐはぐとした印象。柱はやっぱり青砥と古里。「一打サヨナラ」の場面で見逃し三振などはいただけない。「美味しいところキター!」ってことでギラギラした闘志満々の面構えで相手に向かっていかなきゃダメ!

でも、今日の試合、良い経験になったに違いありません。控え選手もたくさん出ました。頑張りました。再試合の日程は今のところ不明ですが、また速報します!当初は得点だけ入れるつもりでしたが、ついつい熱が入って終盤は細かく速報してしまいました。次の試合も状況を見ながら速報します。みなさん、ご期待ください。頑張れ!盛岡一高!!!

<<一高vs盛工の再試合>>
 30日(日)県営第2試合 12:30開始予定


母性をめぐる物語

2017年04月28日 | 読書


誘拐した不倫相手の子と逃亡生活を送る女の日々と誘拐された子のその後の2章からなる物語。

野々宮希和子は妻子ある秋山丈博と不倫関係にあり堕胎の経験を持つ。生後半年の丈博の子の恵理菜を誘拐した希和子は逃亡する。逃亡先は東京の友人宅、名古屋の再開発地区に居座る老婆宅、奈良の怪しげな新興宗教団体エンジェルホーム、小豆島のラブホテル従業員アパート、素麺屋に紹介された離れ。誰にも事情は伝えず、警察の姿に怯えながらも薫と名づけた恵理菜と慎ましやかに暮らした4年。第1章の逃亡劇は小豆島からフェリーに乗るところでついに幕を閉じる。そして、大学生となった恵理菜は誘拐犯の希和子と同じ境遇を送っていたのだった・・・

誘拐した女、誘拐された子の母、誘拐された子、そして逃亡先の女、それぞれの「母性」をめぐる物語。どうしても犯人・希和子に肩入れして読んでしまう。子育てをしたことのない希和子が逃亡の日々の中で「母」になって行く姿がたくましく、小豆島での穏やかな日々が微笑ましかった。小豆島に向かうフェリー乗り場で20歳の「薫」と希和子がすれ違うシーンには涙が出た。

ジョンのファンは必読!

2017年04月25日 | 読書

軽井沢で妻のケイコと避暑を楽しむ世界のポップスター「ジョン」
って
どう考えても「ジョン・レノン」。

そのジョンが猛烈な便秘になって、かつ、自分の心の奥底に暗い影を落としている人々(亡霊)と再会することで心の安らぎを取り戻す話。フィクションだがジョン・レノンの人となりが偲ばれる奥田英朗デビュー作品。ビートルズは私の長姉世代なのでちょと微妙なところでさしたる感想はありません。なお、ウランバーナとは盂蘭盆会のことだそうです。

ピュアな作家、武者小路実篤

2017年04月24日 | 読書

「友情」
脚本家・野島(23歳)は友人の妹・杉子(16歳)に恋をする。しかし、杉子は野島の友人で小説家の大宮に好意を寄せていた。野島の恋の成就を応援する大宮だったが、自分の心の奥底に杉子への恋心を感じて突然ヨーロッパへ旅立つ。その後、杉子と大宮はお互いの気持ちを打ち明けて将来を約束する。失恋の痛手から立ち上がれない野島は大宮の小説で衝撃の事実を知ることになるのだった。

杉子の大宮宛ての手紙に書かれた野島に対する気持ちがかなりキツイ。

「野島さまのわきには、1時間以上はいたくないのです」「野島さまが私を愛して下さったことを私は正気に申しますと、ありがた迷惑に思っております」

野島はこんな大宮の小説と称する手紙のやり取りを読ませられたのだ!げーっ!杉子ひどい女!これをいけしゃーしゃーと読ませた大宮もひどい男!こんな二人に天罰を!としか思えない(笑)。

高校時代に読んだと思うが・・・あまりにも野島が可哀相。

「初恋」
いや~武者小路実篤、とてもピュアです。
とても清々しい気持ちになりました。
高校時代に読んで何か自分に影響はあったんでしょうか!?全く覚えていません(笑)。

オリンピックが人質!

2017年04月23日 | 読書

昭和39年10月10日、「世界中の秋晴れを集めたような、今日の東京の青空です」と言われた奇跡的な日本晴れの下、東京五輪は開幕した。そんな中、身代金8千万円の受け渡しを巡って物語は終盤へ。

国立競技場に聖火が灯った直後、聖火台の下でダイナマイトを手にした島崎国男は刑事に右胸を撃たれオリンピックを人質にした事件は幕を閉じる。この後の島崎の様子(死んだのか?)は一切語られない。何事もなかったかのように人々の時間が過ぎていく。そして、何事もなかったかのように物語は終わる。

死んだ兄と同じ経験をするために五輪工事現場で肉体労働を黙々とこなす島崎。上京して来た同郷人を優しく案内する島崎。冷静な判断力で国家権力の追及をかわす島崎。読んで行くにつれて「島崎頑張れ!」と応援する気持ちが強くなって、読み終わった瞬間込み上げて来るものがあった。スリ師村田とのコンビも良かった。そして、大都会の繁栄と地方の貧困。国家権力とその日暮らしの人夫たち。当時の日本の光と影をうまく表している。

いや~傑作です!!!

当時私は小学2年生

2017年04月21日 | 読書

時は昭和39年夏、10月に開催される東京五輪を前に大会妨害を企てる男がいた。
男の名前は島崎国男。秋田出身の東大大学院生。
父違いの兄が出稼ぎ先で急死したことで、五輪景気に沸く大都会東京と貧困にあえぐ古里との落差に島崎の心は乱れる。そして、警察は島崎の周囲の人間を取り込みながら島崎にジワリジワリと接近する。当時の日本の世相を織り込みながら話は進む。

島崎の動き、島崎の周囲の動き、警察の動きが年月日入りで同時進行だったり、前後したりして進む。複眼的な進行が物語の奥行きを拡げ、スケールをより大きなものにしている。大都会の喧騒、浮かれる姿と東北の片田舎の深く沈む姿がなんともいえない昭和39年の日本を表現している。当時小学2年生だった私の心が揺れた。サスペンスというよりも「ノスタルジック小説」と呼ぶべきかもしれない。言うまでもなく吉川英治文学賞受賞の傑作!!!下巻が楽しみである。