白堊スポーツ - since 2004.09.18

母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

チームー堂場瞬一

2020年01月31日 | 読書

評価4

箱根駅伝、学連選抜のチームをまとめる苦悩とその激走を描いたスポーツ小説。関東選抜の選手が所属する大学以外は全部実名。

城南大の浦は学連選抜の主将に抜擢されチームを一つにするために奮闘するが、「自分のために走る」と公言する学生長距離界のエース東京体育大の山城や「終わった感」から抜け出せない港学院の門脇を抱え、焦燥感はつのる一方だった。そんな中、監督の美浜大・吉池は「優勝」を目標に掲げ、究極のエントリーメンバーを発表する。

5区山登りの門脇の激走、9区山城のアクシデントをしのいでの粘りの走り、10区主将・浦の心と体が砕け散ったままのゴール!作者の描写が秀逸。

そして、そして、最高の喜びはわが母校・中央大学がトップでゴール!フィクションで、は、あるが、痺れた(笑)!中大ガンバレ!!!

農ガール、農ライフー垣谷美雨

2020年01月29日 | 読書

評価4

主人公の水沢久美子(32歳)は派遣切りに遭ったその日、長年同棲してきた相手から別れを告げられ奈落の底へ叩き落される。一念発起した久美子は農業に従事することを決意、田舎に移住し、農業大学校で学び農地を探し求め奔走し、持ち前の真面目さで農ライフに突っ走る!

久美子を後押ししてくれるおばあちゃん、一癖も二癖もある女子仲間に囲まれてなかなかうまく物事をうまく運べない久美子に少しイライラ。でも、真面目な子には必ず良いことがあるんだよね~(笑)、と、読み終わってホっとする。

久しぶりの垣谷美雨はやはり面白かった!心が癒される。

嗤う闇ー乃南アサ

2020年01月26日 | 読書

評価4

女刑事・音道貴子シリーズ第5弾は連作短編4作品。
音道、巡査部長へ昇進、警視庁第3機動捜査隊立川分駐所から隅田川東署へ異動。

①その夜の二人
新しい相棒・玉城警部補(京都大農学部出身のノンキャリア)と主婦の殺人未遂事件を解決。親子関係を取り巻く物語。

②残りの春
ある事件を鮮やかに解決した貴子。研修に来た東大出身のキャリアが貴子のファンに・・・以前の事件で鼻持ちならないキャリアに苦しめられた貴子だけに読む方もハラハラしたが思わぬ結末にニヤリ。

③木綿の部屋
直木賞受賞作=音道貴子シリーズ1作目「凍える牙」で相棒だった滝沢刑事の娘の夫婦問題に首を突っ込んでしまった貴子。父娘のやり取りに少ししんみり・・・

④嗤う闇
貴子の恋人・昂一にレイプ犯の容疑がかかる。捜査すると、被害者の新聞記者・堤育子の嘘だった。真犯人は・・・?

あと少し、もう少しー瀬尾まいこ

2020年01月25日 | 読書

評価3

『そして、バトンは渡された』で2019年本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの中学駅伝を描いた青春小説。

市野中学は駅伝の県大会へ18年連続出場している名門だが、連続出場が危ぶまれるピンチをむかえていた。顧問が美術担当の上原女史に替わり、長距離部員も部長の桝井、設楽、俊介の3人で大会に必要な人数に3人足りない状況だ。そこで、桝井は、不良の大田、吹奏楽部の渡部、バスケ部のジローを勧誘しなんとか大会出場に漕ぎつける。設楽、大田、ジロー、渡部、俊介と渡ったタスキは8位でアンカーの桝井へ渡された。6位に入らなければ県大会への道は閉ざされる。貧血の病を押して走る桝井!市野中学県大会に届くのか!?

1区~6区まで、それぞれのランナーの語りで進むストーリーが新鮮。同じ事柄がいろいろな視点から語られることで物語に奥行を加えている。何気ない上原女史の振る舞いや悪ガキ大田のひたむきさがとても良い!

白夜行ー東野圭吾

2020年01月23日 | 読書

評価3

文庫本854頁に及ぶ長編。読み終わるのに5日間を要した。
大阪の廃墟ビルで質屋の主人が刺殺された。容疑者が次々に浮かぶが事件は迷宮入りする。しかし、老刑事・笹垣は「容疑者」の娘・西本雪穂と被害者の息子・桐原亮司の二人の人生を追うことを止めようとはしなかった。二人が小学生~30歳をむかえるまでの日々とそれに連なる事件と二人を取り巻く人間関係が紡ぎだす壮大なストーリー。

いやはや、登場人物が多いので、メモを取りながら読んだ。しかし、読後の感想は「ここまで、読ませておいて、この結末はないでしょう!」世間的には評価が高いようだが、いろいろな事件の真相が明らかになっていないのでモヤモヤ感が半端ない(笑)。探偵の今枝さんはどこさ行ったのさ!?コンピュータゲームソフトはどうやって盗んだのさ!?

もっと雪穂の犯罪を暴き出して欲しかった!
もの凄く消化不良だ!