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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

使命と魂のリミットー東野圭吾

2019年05月28日 | 読書

評価4

氷室夕紀は帝都大学病院の研修医。夕紀の父は同じ大学の心臓血管外科の権威・西園教授が執刀した手術で帰らぬ人となった。父は西園の息子が死んだ事故に関わっていた。そして母は西園との再婚を決意した。そこに「医療ミスを公表しなければ病院を破壊する」突然の脅迫状が舞い込んで揺れる帝都大学病院。電気が断たれた中での緊迫した手術と決死の犯人捜し。手に汗握るサスペンス。

複雑な人間模様と外科手術、犯人との駆け引き。なかなかの作品でした。犯人・穣治を説得する看護師・望の場面にはウルっとしてしまいました。ちょっと短かい気がします。もっと、解決まで時間をかけた長編にしても良かったのではないかな~♪

凍ー沢木耕太郎

2019年05月26日 | 読書

評価4

最強のクライマーとの呼び声も高い山野井泰史(1965年生まれ)と妻・妙子(1956年生まれ)が2002年ヒマラヤの難峰ギャチュンカン(7952㍍)北壁へ挑んだが下山中に雪崩に遭う。絶体絶命の状況下から奇跡の生還を果たす二人の感動のドキュメント!二人は重度の凍傷になり、泰史は両手の薬指と小指、右足の全ての指を切断する重傷、妙子は指を深く切断する重症を負う。

山野井夫妻については、こちらをご覧ください!
https://nebukurou.com/climber-yamanoi/

いやー凄い、絶望的状況下で究極の選択、絶壁でロープに腰かけて夜を明かすんですよ!しかも無酸素なんですよ!上からドカドカ雪氷が崩れて来るんですよ!実際にあった話なんですよ!「奇蹟」以外の言葉が見つからない!

龍は眠るー宮部みゆき

2019年05月25日 | 読書

評価2

雑誌記者の高坂と二人のサイキック(超能力者)少年がかかわる二つの事件、超能力者ゆえの孤独と悲哀が語られる。それは高坂が台風の最中、車で走行中に自転車をパンクさせ立ち往生していた稲村慎司を拾ったことから始まった。

一つ目の事件、画家の卵の学生二人が気軽に開けておいたマンホールに幼い子どもが落ちて亡くなった。事の真相を知る稲村が二人を追い込み一人が自殺する。二つ目の事件、差出人不明の手紙が高坂に届き「身近な人間に害が及ぶ」と脅迫される。その身近な人間とは、結婚直前で破談となった小夜子であった。小夜子は誘拐され、稲村が大けがをし、もう一人のサイキック・直也は死を向える。この事件の犯人は小夜子の夫とその秘書の女だった。

特に大きな山もスリルもサスペンスもなく、ただダラダラと進む物語に閉口。不倫関係を続けるために妻の殺害を企てる夫と愛人にサイキック少年が絡む展開に苦笑。たぶん今まで読んだ宮部作品で最低の評価。なんでこの作品が、日本推理作家協会賞(1992年)に輝いたのかはなだな疑問。

昭和史の10大事件ー半藤一利・宮部みゆき

2019年05月21日 | 読書

評価3

推理作家・宮部みゆき、歴史探偵・半藤一利の対談集。
両名は都立墨田川高校の同窓生だが、如何せん、30も歳が違うので話が噛みあっていないので少々読みづらい。対談にする意味があったのだろうか?とは思うが、昭和史の復習にはなったかな・・・(笑)?私の昭和史事件のトップは「あさま山荘事件」。

ちなみにお二人があげた10大事件は、①昭和金融恐慌②二・二六事件③大政翼賛会と三国同盟④東京裁判と戦後改革⑤憲法九条⑥日本初のヌードショー⑦金閣寺焼失とヘルシンキ五輪挑戦⑧第五福竜丸事件とゴジラ⑨高度経済成長と事件ー公害問題・安保騒動・新幹線開業⑩東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(宮崎勤事件)