評価
早くに両親を亡くした剛志と直貴は二人兄弟。
兄の剛志は弟・直貴の大学進学の学費を工面するために必死になって働いていたが、ある時、間がさして強盗殺人の罪を犯してしまう。高校をどうにか卒業した直貴は大学進学を諦めて就職。ここから直貴の加害者家族としての辛く苦しい人生が始まる。
兄の影を振り払って真面目に懸命に生きる直貴の節目、節目で兄の影がまとわりつき、時として兄からの手紙が直貴を苦しめる。
学生生活でのバンドデビュー直前の脱退、引き裂かれる彼女との愛、勤務先での突然の配置転換、一人娘と妻に襲い掛かる理不尽な世間のまなざし。
いつ幸せが訪れるのだろう?
と思って読み進むが、どこまでも、どこまで、続く直貴に押し寄せる苦悩。重く辛い話の連続。
そんな直貴の最終決断に涙した・・・
直貴の会社社長の言葉が重い。