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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

2020年の収穫

2020年12月31日 | 家族・自分
①世界史(特にローマ帝国)の面白さを知ったこと⇒塩見七生さんのおかげ
②国会議員の無能さを知ったこと⇒安倍と菅のおかげ
③テレビが無いのに加えラジオを聴かなくても生活に困らないことを知ったこと⇒パソコンのおかげ
④週5日の飲酒なし生活ができることを知ったこと⇒読書のおかげ
⑤時計がなくても暮らせることを知ったこと
⑥高校野球を生観戦できなくても死なないことを知ったこと

愛の年代記ー塩野七生

2020年12月30日 | 読書

評価4

ルネサンス期のイタリアで愛に(も)生きた男と女の物語9編。
不倫、秘めた恋、兄弟での恋人争奪劇、歴史上抹殺された女法王など。なかなか世に出ない話を塩野さんの絶妙な語り口で一級品に仕上げている。さすがです!不倫男、不倫女の惨たらしい処刑場面も出て来て「いろいろなパターンがあるもんだなぁ~」と思わず感心してしまった。落語オチを思わせる「パンドルフォの冒険」が一番面白かった。

①大公妃ビアンカ・カペッロの回想録 
②ジュリア・デリ・アルビティの話 
③エメラルド色の海 
④パリシーナ公爵夫人の恋 
⑤ドン・ジュリオの悲劇 
⑥パンドルフォの冒険 
⑦フィリッポ伯の復讐 
⑧ヴェネツィアの女 
⑨女法王ジョバンナ

レベッカ(上)ーデュ・モーリア

2020年12月29日 | 読書

評価4

高校時代の恨みのサイドリーダーに挑戦(笑)!

ヴァン・ホッパー婦人の付き人であった主人公の「わたし」はモンテカルロでマキシム・デ・ウィンターとの恋に落ち、彼の故郷イギリスのマンダレイの大邸宅での暮らしを始めるが、そこここにマキシムの前妻・レベッカの影が見え隠れする日々に苛まれるのだった。

読み始めの展開の遅さに戸惑うが、レベッカを慕う大邸宅の女中頭・デンヴァースが登場してから俄然面白くなって来た!さ~、レベッカの不気味な妖気漂うこの状況に「わたし」はどう立ち向かうのか!?下巻に期待!

ルネサンスの女たちー塩野七生

2020年12月28日 | 読書

評価4

塩野七生デビュー作。
15~16世紀のルネサンス期のイタリア、その人生を時の権力闘争に翻弄された4人の女性の物語。

①イザベッラ・デステ②ルクレツィア・ボルジア③カテリーナ・スフォルツァ④カテリーナ・コルネール。チェーザレ・ボルジアとの因縁から、カテリーナ・スフォルツァの話に期待していたのだが、カテリーナ・コルネールの話が一番面白かった。

①イザベッラ・デステ
北イタリアのマントヴァ侯爵夫人。夫フランチェスコ釈放をめぐる政治力と芸術へ深い愛情を併せ持つ知的貴婦人。

②ルクレツィア・ボルジア
法王である父と王国創設をもくろむ兄に政治利用された哀しき女性。

③カテリーナ・スフォルツァ
中部イタリア・フォルリの伯爵夫人。夫の死後、領地を女一人で死守。「イタリアの女傑」と呼ばれる。強引さが目立ち、民衆の支持を得られなかった。

④カテリーナ・コルネール
ヴェネツィアの大富豪・貴族の娘。キプロス王・ジャコモと結婚し王妃となる。故国ヴェネツィアのキプロス併合により帰国も、国の策略には気づくこともなく生涯を終える。冷酷な現実主義の母国と無垢な女性の生涯に悲しみを感じる。

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷ー塩野七生

2020年12月23日 | 読書

評価2

1500年前後のイタリアに現れた若者は法王である父の教会勢力を背景にフランス王の全面的援助も受け、自分の王国創設の野望を抱いて権謀術数の限りを尽くすのだった。そんなチェーザレ・ボルジアの生涯を塩野七生が追う。

1498年にチェーザレは枢機卿の地位を捨て結婚によってヴァレンチーノ公爵となりロマーニャ地方も征服し着々と野望の実現に向かうが、フランス、スペイン、ヴェネツィアなどの大国、ローマ法王庁に翻弄されて刀折れ矢尽きてしまう。

まさしくイタリアの戦国時代絵巻。登場人物が多い上に似た名前も多く、小国がたくさん出て来て正直言って覚えられない。しかも物語は出来事重視で淡々と進む。歴史的事実を伝えるためには致し方ないのかもしれませんが・・・毎日出版文化賞受賞作品ですが、私には合わない塩野作品でした。