ひゃ~ 人も車もいない!
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「風紋」の続編。
母親が殺害されてから7年、娘の高浜真裕子は住宅メーカーのOLとなっていたが、母親を亡くした孤独を噛みしめる毎日を送っていた。一方、加害者の子供二人は母親の実家・長崎で暮らしていた。その子供がある殺人事件に関る。被害者と加害者の家族の行く末に光は差すのか?
相変わらず、真裕子の父は自分勝手、加害者の元・妻の香織も実家に残した子供二人を顧みない。いやはや、暗く辛い展開が続く。その中でも唯一の救いは新聞記者の建部智樹だが、真裕子との関係がどうなるのか気になる。みんな幸せを掴んで欲しいと願って下巻へ・・・
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時は幕末。越後長岡藩士・河井継之助、ものごとの原理を追及するために江戸に出府するも、さらなる探求のため大垣、京都を経て備中松山の山田方谷の許へと旅を続ける。まだまだ序章、物語の起伏が少なくかなり物足りなく感じたが、中巻、下巻の展開に期待したい!
継之助、かなりの好き者。で、竜馬同様かなりモテる。京都の女官とのことはあれっきりではありますまい(笑)!?さすがの司馬遼太郎節です。
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借金を返し終えた耕平は北海道・斜里の実家へ戻る。そこへ、東京の新聞販売店で一緒だった沖縄出身の竹田杏菜が突然やってくる。そして、スーパーのアルバイトで懸命に働く耕平に正社員への道が見えて来た時の飲酒運転による事故・・・耕平と杏菜の行く末は?
北海道と沖縄、アイヌとアメラジアン、北海道の開拓史、夢と希望、淡々と語られる物語であるが、剛腕作者の筆致にぐいぐい引き込まれ一気に読了!主人公は耕平ではなくて杏菜だった。二人の幸せを祈ります。
杏菜がよく口ずさんでいた、夏川りみ「花になる」の歌詞に涙・・・
強い風にふるえても
冷たい雨に打たれても
空を見上げている
花になりたい
春夏秋冬と
時が過ぎても
遠い夢に逢うまで
終わらない
心の旅
がんばれ
いつか花になる
だいじょうぶ
優しい言葉かけるより
あたたかく抱きしめるより
君が歩く人生の
花になりたい
ひたむきに笑って
ひとりで泣いて
君が帰りたいとき
待っている
遥かな町
がんばれ
いつの日か花になる
だいじょうぶ
星に願いをこめて
太陽に微笑んだら
がんばれ
いつの日か花になる
がんばれ
いつの日か花になる
負けないで
がんばって
評価
北海道斜里町出身の片貝耕平(24歳)は、東京の大学を卒業して就職するが2ヵ月で退社、次に勤めた会社は倒産、以後、定職につかず定住もままならずその日暮らしの生活を続けていたが、新聞販売店に住み込みで働き出し、サラ金に追われることもなく立ち直りの兆しを見せる。そんな時、同じ販売店にやって来た、地味な女の子・竹田杏菜(19歳)と親しくなるのであった。
パチンコで稼いだ大金を女に盗まれたドジな耕平、人が良すぎて、自分的にはかなりの好感度(笑)。立ち上がれ!耕平!下巻の巻き返しに期待!
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第2次ポエニ戦役終期からカルタゴ滅亡まで(紀元前205年~前146年)。紀元前202年、北アフリカ・カルタゴ近郊のザマで、アレキサンダー大王を師と仰ぐハンニバルと、ハンニバルの弟子とも言えるスキピオが激突。戦いはローマの勝利に終わり、ハンニバルは小アジアへと逃れる。
「敗者を独立した同盟国とみなし、その自治権を尊重し領土を認め駐留軍は置かない」この時期のローマの寛容さに驚く。そして、「イデオロギッシュなギリシア人・・・」「彼ら(スペイン人のこと)の非従順な気質・・・」の表現に、なるほどねぇと感心。
しかし、カルタゴはハンニバルしかいなかったのが痛かったですね。
◆カバーの銀貨について
これは、両替商にもって行けばデナリウス銀貨2枚にかえてくれたであろう、「ディドラクム」と呼ばれていた2ドラクマ銀貨。図柄はギリシア神話のディオスクロイ。ゼウスとレダの間に生まれた、双子のカストルとポルクスのことである。
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第2次ポエニ戦役後期まで(紀元前219年7~前206年)。
いよいよハンニバルがアルプスを越えて北イタリアにやって来た。迎え撃つローマ軍にスキピオの名前はない。そのスキピオは紀元前210年、満を持してスペインに遠征する。さぁー、両雄相まみえる下巻へ!
ハンニバルの18番「包囲壊滅戦」、図解入りでとてもわかりやすい。
◆カバーの銀貨について
ローマ通貨の支柱になるデナリウス銀貨の初期のもの。図柄は「女神ローマ」。何であろうと神格化することが好きだったローマ人は、自分たちの首都ローマも神にしてしまった。ただし、戦争ばかりしていたのが当時のローマなので、イヤリングをしていることで女神を表しても、その女神はかぶとをかぶり、剣をそえた姿で描かれている。