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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

八十日間世界一周ージュール・ヴェルヌ

2020年06月29日 | 読書
評価4

言わずと知れた世界の名作。
ロンドン、パリをまたにかけ、スエズ、ボンベイ、香港、横浜、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドン、主人公のフィリアス・フォッグついに賭けに勝った!

フォッグとパスパルトゥー、アウダ夫人の珍道中を執念で追いかけるフィックス刑事。なんでもありのハチャメチャなロードノベルだけど、こんなエンタテイメント小説が1872年に作られていたことに驚く。ジュール・ベルヌ恐るべし!世界地図片手に読了~♪

いや~しかし面白かった(笑)!

悪名高き皇帝たち(1)-塩野七生

2020年06月28日 | 読書
評価4

2代目皇帝ティベリウス(14年~37年)

寡黙な真面目人間ティベリウスは公衆安全の確立と緊縮財政を推し進め、東方問題に取り組み、ゲルマニア撤退の後ドナウ川防衛体制を確固たるものとした。

本書の随所に登場する言葉
「ローマ人は敗者をただ単に許したのではなく、敗者さえも自分たちと同化した」
けっして敗者を切り捨てて終わりにしないローマ人の魅力!


しかし・・・
皇帝をめぐる姻戚関係がわかりづらい。同じ名前の人がいっぱいいてどれがどれだかさっぱりわがらん。系図があるが、理解の範疇を越えているので無視(笑)

◆カバーの金貨について
鋳造技術でも金銀の含有率でも「良貨」が流通していたのが、悪名高き男たちが帝位に就いていた時期なのであった。

残り少ない人生で読みたい本

2020年06月27日 | 読書
・若草物語・三銃士・海底2万マイル・コンチキ号漂流記・嵐が丘・アクロイド殺人事件・レベッカ・大地・アンクルトムの小屋・月と6ペンス・足長おじさん・ジャングルブック・罪と罰・戦争と平和等々

この中には、長期休みに大打撃を与えた、恨みの課題(サイドリーダー)も数冊含まれております(笑)。

冷たい誘惑ー乃南アサ

2020年06月23日 | 読書
評価3

小型拳銃コルトが5人の手に渡るエピソードを語った5つの短編連作。
興味をそそられるテーマだったが、イマイチ盛り上がりを欠く展開にがっかり・・・

米兵と横須賀のホステスとの間に娘(小出祥子)が生まれ、そのホステスが交通事故死して形見に拳銃が残されたが、大人になった祥子が拳銃を残したまま引っ越す(置きみやげ)⇒ そのアパートに越してきた元警察官が拳銃を見つけるも、いつか使用することを夢想する間に祥子が拳銃をとり戻してしまう(塵箒)⇒ 祥子が自転車で自宅に帰る途中で拳銃が入ったバッグをひったくられる ⇒ 毎朝ベランダにやってくるカラスの声に悩まされたサラリーマンがカラス殺しの目的で拳銃を手に入れるが、生き物を殺生することに嫌気がさして拳銃を売人に返す(なかないで)⇒ 売人から拳銃を受け取った女子中学生が処理をもてあまし、コマ劇場前で泥酔していた主婦に拳銃を預ける(野良猫)⇒ 諸々生きることに自信を失っていた主婦が拳銃が本物であることを確認して、お守りのように持ち歩き何事にも堂々と生活ができるようになって行く(母の秘密)

俺にも拳銃あったら、どんな日常になるんだろうか?
と、思わずにはいられない物語で、は、あった(笑)。

パクス・ロマーナ(下)-塩野七生

2020年06月20日 | 読書
評価4

紀元前5年~紀元後14年:アウグストゥス統治後期(58歳~77歳)

初代ローマ皇帝・アウグストゥスは清廉潔白な人であった。と、いうことは、当然身内にも厳しく法の下の平等を貫いた。姦通罪に触れた自身の娘と孫娘を流刑、資産没収に処したのだった。

著者の言葉
「他のことは平等よりは公正を重んじても、法の実施だけは万人に平等であるのが法治国家である。ローマ人こそ、この意味で法治国家の創造者であった。」
「律儀で細かいことまで気を配る人であったローマ初代皇帝は、法とは、誰よりも上に立つ者が守ってこそ、下にある者にも強いることができるのを知っていた。」

安倍晋三に読んで欲しい本!

◆カバーの銀貨について
初代皇帝アウグストゥスは77歳で死にながら、せいぜいが30代にしか見えない顔しか残さなかった。帝政移行後の新生ローマが、若々しいイメージで象徴されることを考えての判断である。

パクス・ロマーナ(中)-塩野七生

2020年06月17日 | 読書
評価5

紀元前18年~前6年:アウグストゥス統治前期(45歳~57歳)

改革の日々であったが、ゲルマニア地方の防衛線をライン河からエルベ河へと東進を始めた初代皇帝であった。改革は税制改革と行政改革。ゲルマニア進行は紀元前12年から紀元後16年まで続いた。そして、後継者選定に悩むこととなる。

<税制改革>
・売上税1%
・相続税5%ー満期除隊兵士の退職金財源(目的税)

<行政改革>
・中央集権化ーイタリア全土を11州に区分け(現在は18州)
・テヴェレ河治水官の新設
・公共建築・神殿修復官の新設
・街道担当官の新設
・警察、消防庁の新設

【追伸】
「マエケナスする」で知られる、メセナ運動の始祖・マエケナスを私的外交官として登用。このマエケナスは、学芸への助成として詩人のヴェルギリウスやホラティウスの援助をおこなった人物である。

◆カバーの銅貨について
このセステルティウス銅貨の顔は、アウグストゥスの右腕と言われたマルクス・アグリッパ。この男の生涯を通じての協力がなければ、帝政への移行は不可能であったろう。