評価
再読(前回2019年8月17日)。
寂れた元炭鉱の町・北海道苫沢町の向田理髪店店主康彦(53歳)を主人公に繰り広げられる人間模様を温かく描く、著者らしくない(笑)連作短編集。①向田理髪店②祭りのあと③中国からの花嫁④小さなスナック⑤赤い雪⑥逃亡者
私の好みは「中国からの花嫁」。花嫁探しに中国まで出かけなければならなかった大輔(40歳)の葛藤に反して、あっけらかんとした花嫁・香蘭の姿がなんとも微笑ましい。多少の諍いはあるが、康彦を取り巻く同級生の瀬川、谷口や息子たちとのチームワークが抜群!おばあちゃんの富子さんも、映画ロケに出演したり(赤い雪)と、かなりやんちゃで楽しい。
奥田英朗、引き出しがたくさんあって良い作家さんです!
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