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ルネサンスの女たちー塩野七生

2022年09月01日 | 読書
評価4

再読(前回2020年12月28日)。
4人の女性を中心にルネサンス期のイタリア・地中海で覇権を競った国々の攻防を綴った一大絵巻。マントヴァ侯爵夫人イザベッラ・デステ、チェーザレ・ボルジアの妹ルクレティア・ボルジア、フォルリ伯爵夫人カテリーナ・スフォルツァ、キプロス女王カテリーナ・コルネール、この4人の女性は権謀術数にまみれた運命を送る。

①イザベッラ・デステ
フェラーラ公国のエステ家に生まれたイザベッラはマントヴァのゴンザーガ家に嫁ぐ。夫の侯爵フランチェスコがヴェネツィアに捕らえられると、イザベッラは摂政としてマントヴァを守り抜き、フランチェスコの保釈に向けて全力を注ぐ。イザベッラは芸術家のパトロンとしても知られるが、レオナルドダヴィンチには肖像画一つも描いてもらえなかった。

②ルクレティア・ボルジア
チェーザレの妹であり、時の法王アレッサンドロ6世の娘であったルクレティアは、ペーザロ伯、ビシェリ公、アルフォンソ・デステと相次いで結婚させられ、兄・父の領土獲得の欲望の道具として利用され続ける。

③フォルリ伯爵夫人カテリーナ・スフォルツァ
ミラノのスフォルツァ家出身のカテリーナはフォルリに嫁ぐが、夫が死んだ後フォルリの町を統治。フランス、スペイン、ドイツ、ヴェネツィアの大国に囲まれる中、チェーザレとの攻防で城塞に籠城し孤軍奮闘するもついに捕らわれの身に。金と権力と恋を失った「イタリア第一の女」と称せられたカテリーナは46歳でこの世を去った。

④カテリーナ・コルネール
ヴェネツィア貴族の娘カテリーナは、ヴェネツィア共和国政府の政略によりキプロス王ジャコモ2世と結婚させられる。ジャコモの死後、ヴェネツィア共和国、ナポリ王国、地中海の覇権争奪に乗り出したトルコ、既得権益を守りたいエジプトとの争いに巻き込まれたカテリーナは、ついに女王の冠を脱いでキプロスはヴェネツィアに併合されてしまう。

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