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偶然の祝福ー小川洋子

2022年10月28日 | 読書
評価5

再読(前回2021年8月11日)。
小川洋子作品のエッセンスが詰まったような連作短編集。ところどころに他作品の断片が登場し、なにより主人公の私は大学病院勤務経験がある小説家なのだ。小川さんの小説家としての苦悩が綴られている気がしないでもない。愛犬ラブと思われるアポロも登場、小川洋子ファン必読作品!!

<各作品の気になる箇所>
①失踪者たちの王国

②盗作
主人公のデビュー作は「バックストローク」だった→短編集「まぶた」(2001年)の中の作品

③キリコさんの失敗
主人公への父の海外旅行土産が万年筆で、そこに彫られたイニシャルがY・H
小川さんの旧姓は、本郷洋子!
主人公の母が誤って万年筆を焼却炉へ→「アンネの日記」のエピソードと同じ

④エーデルワイス
本をポケットに入れている男が登場→「琥珀のまたたき」(2015年)のよろずやジョーは商品をありとあらゆるポケットに入れていた
男が取り出した本は「ホテル・アイリス」⇒1996年発表作

⑤涙腺水晶結石症→登場する犬のアポロは小川さんの愛犬ラブがモデル

⑥時計工場

⑦蘇生
アナスタシアと名乗るお婆さん登場→アナスタシアと言えば「貴婦人Aの蘇生」(2002年)
主人公が突然話せなくなる→「密やかな結晶」(1994年)

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