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評価
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再読(前回2017年9月9日)。
終戦直前、日本軍はマニラから運んだ時価二百兆円にものぼる財宝を戦後の復興のために奥多摩へ秘匿した。その作業を命ぜられたのが何も知らぬ35人の女学生だった。死出の旅に出た老人から託された手帳がその真相を語り始める。過去と現代を行きつ戻りつ綴られる著者お得意の歴史フィクション。
実は財宝はマッカーサーがフィリピン独立に用立てようと貯め込んでいたものを山下将軍が日本へ運んだもので、血眼になってマッカーサーが探し出した物の残り半分だったのだ。
財宝の搬入作業が終わり玉音放送を聴いて「ああ、これで家に帰れる」と喜んだ女学生が何故一人を残して死を選んだかが最終頁でようやく明かされる。現代語りがユーモアを交えた軽い調子なので、最終盤との落差にかなり戸惑う。ただ一人生き残った級長だった女学生(金原久枝)の心情が全くこちらに伝わらないところが残念。浅田次郎も若かったということか・・・
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