評価
雑誌記者の高坂と二人のサイキック(超能力者)少年がかかわる二つの事件、超能力者ゆえの孤独と悲哀が語られる。それは高坂が台風の最中、車で走行中に自転車をパンクさせ立ち往生していた稲村慎司を拾ったことから始まった。
一つ目の事件、画家の卵の学生二人が気軽に開けておいたマンホールに幼い子どもが落ちて亡くなった。事の真相を知る稲村が二人を追い込み一人が自殺する。二つ目の事件、差出人不明の手紙が高坂に届き「身近な人間に害が及ぶ」と脅迫される。その身近な人間とは、結婚直前で破談となった小夜子であった。小夜子は誘拐され、稲村が大けがをし、もう一人のサイキック・直也は死を向える。この事件の犯人は小夜子の夫とその秘書の女だった。
特に大きな山もスリルもサスペンスもなく、ただダラダラと進む物語に閉口。不倫関係を続けるために妻の殺害を企てる夫と愛人にサイキック少年が絡む展開に苦笑。たぶん今まで読んだ宮部作品で最低の評価。なんでこの作品が、日本推理作家協会賞(1992年)に輝いたのかはなだな疑問。
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