評価4
再読(前回2021年1月9日)。
あらゆる物が徐々に消えて行く島に住む小説家のわたしは、消滅を感じない人々を取り締まる秘密警察による記憶狩りから編集者R氏を匿う。記憶狩りにあった亡き母の残したフェリーの切符、ハーモニカ、ラムネでもわたしの心の空洞は埋まらない。最後は肉体が消えて行く人間の哀しみを描く物語。
人間の限りある生を小川洋子独特の閉鎖された隠れ家の物語として描いた作品。著者の原点「アンネの日記」を連想させる作品でもある。また、声を奪われ閉じ込められている主人公を描いた劇中劇(小説中小説?)は「琥珀のまたたき」に通じるものがある。
<物語の中で消え去ったもの>
リボン、鈴、エメラルド、切手、香水、鳥、フェリー、バラ、写真、木の実、カレンダー、小説、ハーモニカ、ラムネ、左足、右腕
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再読(前回2021年1月9日)。
あらゆる物が徐々に消えて行く島に住む小説家のわたしは、消滅を感じない人々を取り締まる秘密警察による記憶狩りから編集者R氏を匿う。記憶狩りにあった亡き母の残したフェリーの切符、ハーモニカ、ラムネでもわたしの心の空洞は埋まらない。最後は肉体が消えて行く人間の哀しみを描く物語。
人間の限りある生を小川洋子独特の閉鎖された隠れ家の物語として描いた作品。著者の原点「アンネの日記」を連想させる作品でもある。また、声を奪われ閉じ込められている主人公を描いた劇中劇(小説中小説?)は「琥珀のまたたき」に通じるものがある。
<物語の中で消え去ったもの>
リボン、鈴、エメラルド、切手、香水、鳥、フェリー、バラ、写真、木の実、カレンダー、小説、ハーモニカ、ラムネ、左足、右腕
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