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勝者の混迷(下)-塩野七生

2020年05月11日 | 読書

評価5

マリウスとスッラの時代からポンペイウスの時代まで(紀元前120年~前63年)。

紀元前1世紀初頭、同盟者戦役に続き、小アジアでのミトリダテス戦役の勃発や度重なる内乱でローマは混迷の度合いを深めていた。そんな中、戦役に勝利した名将スッラは反対派を一掃、前81年に、任期無期限の独裁官に就任し、ローマの秩序再建のため、国政改革を断行。しかし、このスッラ体制も彼の死後まもなく崩壊。この後登場するポンペイウスがオリエントへとローマの覇権拡大を果たす。

スッラのライバルだったキンナの娘と結婚した男の名が「ユリウス・カエサル」。そうだ、あのカエサル!この時は、反スッラとして小アジアに逃げ延びていてほとんど顔を出す場面はないが、いよいよ次からの4巻はユリウス・カエサルが登場!

さて、この時代、アルメニア、マケドニア、シリア、パルティア(ペルシャ)などの国名が何度も登場して、なかなかの歴史を持った国なのだな~と、思いを新たにしたところです。

◆カバーの銀貨について
ここに紹介したのは、第一次三頭政治の一人だったポンペイウスの、業績を記念して鋳造されたデナリウス銀貨。表面は、地中海に横行していた海賊をわずか3ヵ月で一掃し、地中海に平和を確立した当時のポンペイウス。

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