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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

六番目の小夜子ー恩田陸

2021年07月26日 | 読書

評価5

再読(前回2017年2月19日)。
「サヨコ」は毎年後輩に引き継がれ、3年に1度だけ学園祭での演劇上演が許されている。誰が「サヨコ」かは誰も知らない。そんな高校へ非業の死をとげた2代目サヨコと同姓同名の津村沙世子が転校して来たことからドラマが始まる。恩田陸のデビュー作である青春ファンタジーノベル。

「サヨコ」の謎と、謎を探る関根秋、受験を前にした高校生の青春、全校生徒を巻き込んだ学園祭での「サヨコ」劇、恋に溺れた女生徒の短絡的な放火等々読んでいて飽きない。自由自在に周囲を翻弄する美少女・津村沙世子は私に言わせれば「いけすかない少女」(笑)。

「サヨコ」伝説の黒幕は担任の黒川だろうが、沙世子に転校を促す手紙を送ったあたりの顛末がど~もしっくり来ないし、他に少しモヤ~とするところがないでもない(野犬の登場場面)が、そごはそれファンタジーなのだから大目に見よう(笑)!いずれ面白いことは確かなのだから。



今日の北上川

2021年07月24日 | 盛岡風景




今日は夕顔瀬橋から北上川左岸を山田線鉄橋をくぐって北へ
家~材木町~館向町~北大橋~ニトリ裏北上川右岸~岩大理工学部裏~上田通り~家 12,354歩(8.9㌔) うぅ~む、9歩余計だった「12,345」だったのになぁ~(笑)

流星ワゴンー重松清

2021年07月23日 | 読書

評価5

再読(前回2017年4月11日)。
家庭不和、リストラで死を考えて駅前に佇んでいた一雄の目の前に一台のワゴンが停まった。そのワゴンは一雄を乗せて幾度となく「もう一度やり直したい過去」へと連れて行く。ワゴンの橋本さん、健太父子の悲しい出来事に涙し、一雄父子の将来に微かな希望を感じさせる名作!

橋本さんと健太君は5年前にトラックとの正面衝突で死亡しているいわゆる幽霊なのだが、死をためらっている人々を車に乗せて人生の岐路となった時点へ時空を超えて運んでくれるのだ。一雄も何度となくその場に舞い戻り、「あ~こうしていれば」「気がつかなかった」と反省をし人生の変更を試みるがやり直しは出来ないのだった。この辺が実に切ない。

一雄と死を目前とした父・チュウさんとの朋輩としての再会がとても微笑ましい。橋本・健太父子、一雄・広樹父子、一雄・チュウさん父子、3組の父親・息子の関りを通して「父子」の有り方を問う何度でも読み返したい名作です。