白堊スポーツ - since 2004.09.18

母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

妖精が舞い下りる夜ー小川洋子

2022年11月03日 | 読書
評価5

再読(前回2021年2月6日)。
種々の雑誌に掲載された文章をまとめたエッセイ集。書評や自作品の説明、日常生活から若い頃の思い出、芥川賞受賞の様子、阪神タイガースに寄せる思いまで、硬軟取り混ぜて小川さんの人となりがうかがえるので楽しく読めた。学生の頃「ロイ・ホワイトに似てる」と言われたことがあるらしい(笑)

<小川さん自身が説明をしている作品>
・完璧な病室
・冷めない紅茶
・妊娠カレンダー
・シュガータイム
・余白の愛
・アンジェリーナ~佐野元春と10の短編
・密やかな結晶
・薬指の標本
・アンネ・フランクの記憶
・刺繍する少女
・ホテル・アイリス
・やさしい訴え

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物語の役割ー小川洋子

2022年11月01日 | 読書
評価5

著者の3つの講演を文章にしたもの。小川さんの物語を作る過程がわかってめちゃくちゃ面白い!ある出来事がきっかけとなって映像が浮かんで来て文字が後追いする感じらしい、小川さんが触発された本もたくさん紹介されているので読んでみたいと思う。

印象に残った箇所を記しておく。

私のいま理想としている小説は、その小説のなかに出て来る登場人物が「ここにいるからね」と声を発して、小説の中の実在しない人物と現実にいる読み手が目配せを交わせるような小説です。「お互いほんとうに現実を生きていくのはいろいろたいへんな、困難なことだけれども、とにかく僕はここにいるからね」「私もここにいるからね」と言って、声なき声で目配せを交わせるような作品を書きたい。

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