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山との付き合い方は人の生き方にも似て

2012-02-06 13:36:56 | 編集手帳



  2月5日付 読売新聞編集手帳


  山好きで、
  本紙にもう14年も山行記を連載している
  シンガー・ソングライター、みなみらんぼうさんが、
  中高年登山について書いたコラムに、
  こんな件(くだり)がある。

  <中年のうちは“山は逃げない”。
  また次に登ろう、
  というのが当てはまるが、
  高齢者には“山は逃げなくても年が逃げて行く”ので、
  中年と高齢者では山に対する切実さが全然違う>。

  だからだろうか、
  中高年登山がブームと言われる近年、
  警察統計で山岳遭難者数が最も多いのは60代だ。
  次いで70代、50代。
  “年が逃げる”と思えば無理をして、
  進む、
  引き返すの判断を誤ることがあるのかもしれない。

  20~30代の登山人口がここ数年で激増したという統計もある。
  人気の富士、
  高尾山などに魅了された若い「山ガール」が、
  夫を恋人を山へ導く。
  90年代半ばの「百名山ブーム」のような現象が、
  違う年代層、
  目的で再燃する、
  と言う人もいる。

  らんぼうさん、
  こう結ぶ。
  <あるピークを越したらゆっくりと安全に下山に向かわねばならない。
   これがルールである。
   なんと人生のやり方に似ていることだろう>。
  山との付き合い方は人の生き方にも似て。
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