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月は誰のもの?

2012-02-15 14:32:24 | 海外ネットワーク



  2月11日 NHK海外ネットワーク

 
  月面探査を競う賞金レースを
  インターネット検索大手のグーグルが民間の財団とともに発案した。
  世界中の軍事関連企業や大学などから26チームが参加。
  3年以内に月の探査を実現し、
  観測データや映像などを送ることができたチームに最大で23億円の賞金が送られる。

  アポロ11号による人類初の月面着陸から43年。
  再び月を目ざす動きが活発化している。
  賞金レースに参加している企業のひとつ 
  アメリカペンシルバニア州のアストロボティック・テクノロジー社は、
  4年前に設立されたベンチャー企業である。
  力を入れているのは月面での掘削作業に使う専用のシャベルの開発である。

  アストロボティック・テクノロジー社 デビッド・ガンプCEO
  「月のどこを採掘すれば水や希少金属が手に入るか
   その場所の発見が目的だ。
   moon rush(ムーンラッシュ)の先べんをつけたい。」

  月の表面の石には地球と比べても寄り多くの金属が化合物の形で含まれていることが
  最近の研究でわかってきた。  
  NASAの月表面のデータによると、
  鉄やチタンなど広い範囲できわめて高い含有率を示し
  豊富な鉱物資源の可能性がうかがえる。
  人間の生命の維持に欠かせない水の成分も月の岩石に含まれていることが判明。
  月での資源採掘が現実味を帯びている。

  資源獲得の動きは活発化するが、
  月の資源の所有を規制する国際的なルールは事実上無い。
  宇宙の利用に関するルールが初めてつくられたのは
  1967年の宇宙条約で101カ国が批准していて
  特定の国が月の土地を領有することは禁じられているが
  資源についての規定は無い。
  そこで1979年に月協定が定められ
  “いかなる国家・個人も月の資源を独占できない”
  と規定された。
  しかし、アメリカやロシアなど宇宙大国は参加せずわずか13カ国しか批准していない。
  (オーストラリア、ベルギー、レバノン、メキシコ、パキスタン、ペルー
   カザフスタン、オーストリア、地理、モロッコ、オランダ、フィリピン、ウルグアイ)
  協定の効力が疑問視されているのである。
  
  月の資源を狙って次々に宇宙開発に新興国が乗り出している。
  中国は5年前、月探査衛星第1号の打ち上げに成功。
  月の資源を将来的に活用する1歩と位置づけた。
  来年には無人の探査車両の月面着陸を目指している。
  インドも2008年に初の月探査衛星を打ち上げ、
  資源の分布を調査している。
  
  危機感をつのらせたアメリカは去年、
  ある報告書を発表した。
  “月面にあるアメリカの歴史的・科学的遺産 いかに保護するか”
  アポロ11号の着陸地点として知られる Sea of Tranquility(静かの海)
  アポロ15号で初めて月面車が走った Hadley Rille(ハドレー谷)
  アポロ17号がオレンジ色の土を発見した Taurus-Littrow(タウラス・リトロー)
  これらアメリカが月探査をした区域を保存すべき歴史遺産だとして
  独自に立ち入り禁止や飛行禁止にすべきと提言、
  アポロ計画で探査した月面の利用権はアメリカにあると既得権益を主張している。
  
  報告書を作成したNASA月面商業利用担当部長 ロブ・ケルソー氏
  「月の資源をどう活用するかという時代に我々は来ている。
   月に関する条約、所有権、資源の権利を今まで以上に考えなければならない。」

  月の開発は国際的なルールが事実上無いまま進もうとしている。
  月は誰のものなのか。
  企業と国家が入り乱れた資源の獲得競争が激しさを増しそうである。


  
   
  















  


  
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