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水素エネルギー ドイツの現状は

2013-08-09 08:00:04 | ビズ プラス
8月4日 BIZプラスSUNDAY

日本とともに燃料電池車で世界をリードするドイツ。
2030年までに180万台の普及を目標に掲げている。
それに伴い今後力を入れていこうとしているのが
燃料電池車に水素を供給する水素ステーションの建設である。
2030年にはドイツ全域をカバーする1,000か所に設置する計画である。
ドイツでは水素ステーションでもドライバー自ら補給することが認められている。
大手ガス会社のリンデ社は
国内の自動車メーカーと連携し競争力のある水素ステーションの開発を急いでいる。
設備一式の輸出も始めている。
(リンデ ロバート・アドラーさん)
「我々は13年前から水素ステーションの建設をしてきた。
 すでに水素ステーション設備を販売しているし
 将来需要が増えても対応できる。」
ドイツ政府は水素ステーションのネットワークを整備するために補助金の提供やルール作りに力を入れている。
(ドイツ交通建設都市開発省 ニュルギュン・パーカーさん)
「政府は企業と一緒に水素エネルギーの技術開発を進めていくことを決めた。
 自動車産業国としてトップでいるために
 水素エネルギーの技術が重要だと考えている。」
日本でも水素ステーションの建設が本格化している。
今年4月 神奈川県海老名市にオープンした水素ステーションを建設したのは
石油会社のJX日鉱日石エネルギー。
今後2年間で約40か所に新たに建設する予定である。
この会社では水素を製造する大規模な装置を持っている。
原油を精製するために必要だからである。
この水素を新たなビジネスチャンスにつなげたいと考えている。
背景にはガソリン需要への危機感がある。
自動車の燃費の改善が進みガソリンの需要は今後20年間でいまより60%へると見込まれている。
(JX日鉱日石エネルギー 一色誠一社長)
「車はどんどんエネルギー燃料が多様化するのに合わせて
 我々もそれを供給していく。
 選択肢はたくさんあった方が勝ち残る確率は高くなる。」
しかし水素ステーションの整備には多くの課題がある。
この事業を手掛けるガス会社の岩谷産業。
この会社ではコンパクトで価格の安いドイツ・リンデ社製の設備を導入し
国内で水素ステーションを展開しようと考えている。
しかし実際に建設してみると厳しい規制が壁となり割高なものになってしまった。
日本では車に水素を入れる器具は法律で高価なステンレスを使うよう指定されている。
一方 ドイツでは安全性を企業が証明できれば素材は自由に選択できる。
また日本では水素圧縮装置と水素充填装置との間に
厚さ12センチのコンクリートの壁の設置儀義務付けられている。
ドイツより厳しい規制である。
その結果 設備の建設費はドイツの2倍に跳ね上がった。
(岩谷産業水素エネルギー部 広谷龍一マネージャー)
「ドイツのオリジナルのものと比較すると少し大きめでコストも高いものになってしまう。
 規制の壁を取り除くことが重要。」
規制はこれだけではない。
水素ステーションをガソリンスタンドと併設する場合
給油設備と水素を入れる設備の間は6メートル以上離さなければならない。
そのためより広い敷地が必要となる。
こした事態に政府もようやく抜本的な規制緩和に乗り出す方針を打ち出した。
(安倍首相)
「水素スタンドには経済産業省の規制
 消防関係の総務省の規制
 街づくり関係の国土交通省の規制
 というがんじがらめの規制の山。
 1つずつモグラたたきをやっていても実用化にはたどり着けない。
 これを今回 一挙に見直す。」
7月から経済産業省は関連する業界団体と
水素ステーション建設のルール見直しに向け検討を始めている。
(経済産業省 高圧ガス保安室 川原誠室長)
「燃料電池自動車 次世代車ということで産業波及効果は大きい。
 なにより日本が強いところ。
 安全確保が第一だができることは事業者と協力してやっていきたい。」





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