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薄煕来元書記裁判 中国当局異例の対応

2013-08-25 08:00:30 | 報道/ニュース
8月24日 ニュース7


薄煕来元重慶市書記。
収賄などの罪に問われた裁判で薄元書記は起訴された内容の大部分を否認している。
真っ向から対立している薄元書記と共産党指導部。
今回 裁判所周辺では厳重な警備態勢が取られた。
裁判所は毎日記者会見を開いてメディアに情報を提供。
中国版ツイッターと言われる“ウェイボー”でも数分おきに裁判の経過を速報するという異例の対応をとった。
攻勢に裁判を進めているとアピールする当局の狙いがあるとみられている。
薄元書記は副首相を務めた父親を持つエリートで最高指導入りの可能性も指摘されていた。
ところが去年 妻がイギリス人ビジネスマンを殺害した事件など次々にスキャンダルが発覚。
企業などに便宜を図った見返りに多額のわいろを受け取った疑いも浮上し失脚した。
しかし薄元書記は今なお共産党の上層部や国民の一部に根強い支持がある。
裁判初日には支持者が裁判所の周辺に集まり警察ともみあいになった。
人気の理由は薄元書記が重慶市で進めた暴力団の大規模な取り締まりや
低所得者向けの手厚い福祉政策である。
「革命家を歌って輝かしい時代を思い出そう。」
改革開放路線に逆行するような毛沢東時代を称賛する政治キャンペーンを展開し
格差の拡大に不満を持つ市民の支持を集めた。
今回裁判が重慶市などではなく事件と関係のない山東省の裁判所で開かれているのも
数多くの支持者が押しかけて裁判が混乱することなどを防ぐためとされている。
今回の裁判で起訴された内容の大部分を否認している薄元書記。
3日目の24日も約8,000万円の公金を横領したとされる罪の審理で
この金額について
“心を揺さぶられる理由になるか”と述べて否認し
検察側やその背後の共産党指導部と争う姿勢を崩していない。
午後は妻がイギリス人ビジネスマンを殺害した事件の捜査を妨害したとされる職権乱用の罪の審理が行なわれ
これについては認めている。

薄元書記としては潔白なのに政治闘争に敗れたと訴えかける狙いがありそうである。
実際にインターネット上では
悲劇の英雄だ
などと薄元書記を支持するコメントが次々と書き込まれては当局によって削除されている。
党の上層部も
パフォーマンス好きの薄元書記が饒舌に弁解するのはある程度織り込み済みだったということであるが
これほどまでに激しい抵抗は予想外だったようである。
国営メディアは薄元書記の弁解には矛盾があるなどと伝えていて
指導部が元書記のイメージ失墜へと世論操作に躍起になっているのがうかがえる。
毛沢東時代を称賛する薄元書記の政治手法が共産党内部で路線対立を引き起こしただけに
裁判で再び浮き彫りにならないよう神経をとがらせているのは間違いない。
中国では司法機関は共産党の指導のもとにあり
司法の独立は事実上ない。
特に指導者の裁判は指示的な色合いが非常に濃いといえる。
習近平指導部は発足以来 反腐敗を旗印に国民の支持を得ようとしている。
こうしたことから判決では腐敗に対処する姿勢を打ち出しつつ
量刑について波涛の内外で大きな反発が起きない程度にして
政治的な対立を回避したい考えとみられる。
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