日暮しの種 

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韓国の“もてなし”

2014-07-19 17:19:42 | 編集手帳

7月12日 編集手帳

 

ずいぶん前のことだが、
ある月刊誌で見かけた帝国ホテルの広告がある。
〈紙クズはもう一泊します〉

チェックアウトをした宿泊客が部屋のごみ箱にうっかり大事なメモを捨ててしまったことにあとで気づいた場合に備えて、
客が立ち去ってから一昼夜、
ごみを別室で預かるのだという。
客の身になっての隠れたもてなしに感心した覚えがある。

同じ一昼夜24時間の対応でも、
こちらは “もてなし”ならぬ“仕打ち”である。
在韓日本大使館が自衛隊創設記念の行事を開くことで予約していたソウルのロッテホテルが、
開催の前日になって一方的に取り消しを通知してきた。

「国民感情に触れる」との理由だが、
前日はひどい。
各方面に招待状を送っている客の身になり、
予定通り会場を用意する。
国内の 批判は甘んじて受ける。
それが最低限の商道徳だろう。

ものの本によれば、
英語の「ホスピタリティー」(歓待)と「ホスティリティー」(敵意)は一つのラテ ン語から派生した同根の言葉という。
「敵意」のほうにくみするホテルもめずらしい。
泊まったことはないが、
さぞかし日本人には快適なことだろう。

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「歴史に学ぶ」とは

2014-07-19 07:15:00 | 編集手帳

7月10日 編集手帳

 

漢字の本家は中国だが、
和製の文字もある。
国字という。
よく使う国字に〈枠〉がある。
本家にも同じ意味をもつ別の字はあろうが、
なければお貸しする。

中 国共産党の青年組織が発行する重慶市の週刊紙『重慶青年報』の最新号が、
全面広告として、
広島、長崎の場所に原爆のキノコ雲と炎のイラストを書き込んだ日本地図を掲載した。
これは許される〈枠〉の外だろう。

地図に名前が記された都市はもう一つある。
東京である。
キノコ雲こそないが、
「次はここだ」の脅迫にも読める。
というより、
そうとしか読めない。

見出しには「日本は再び戦争をしたがっている」とある。
集団的自衛権をめぐる日本政府の政策転換に抗議したつもりらしい。
なぜ、
いま、
政策の転換が必要だったのか。
核を保有する軍事大国にして“見識小国”の全面広告はひとつの回答である。

〈どげんもんか煮え湯かぶればわかるじゃろ〉(和田たかみ)。
反日教育を施す暇があれば、
原爆の惨禍を教え、
常識の〈枠〉を守るよう躾(しつ)けるのが先だろう。
「歴史に学ぶ」とは、
そういうことである。
〈躾〉も国字、
ないのならお貸しする。

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