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デパート業界 夏商戦の行方

2014-07-25 07:15:00 | ビズ プラス

7月13日 BIZ+SUNDAY


大西洋社長は2年前から三越伊勢丹グループを率いている。
デパート業界にとって正念場の夏の商戦。
他社のほとんどの店が6月末からセールを行うなか三越伊勢丹ではセールを7月中旬以降に遅らせている。
それでもこの時期 売り上げは去年を上回っている。
大西社長は強さのカギは商品・販売・空間にあると言う。
まず商品と販売。
ヨーロッパの麻を使った肉厚で発色の良い婦人用ニット。
(三越伊勢丹ホールディングス 大西洋社長)
「外で売っているセール品よりもこっちを買っていただくという理由付けがないとだめなので。」
伊勢丹といえばバイヤー。
バイヤーの目利きで国内の工場と独自に契約し価格は16,000円。
通常の製造流通ルートでは20,000円超。
高い品質は維持し価格は抑える。
セールを行うなかで単なる値引きではなく三越伊勢丹にしかない商品にこだわることで客を引き寄せる。
(大西洋社長)
「山形のニットメーカーとダイレクトなので通常のサプライチェーンのアパレルは一切入っていない。
 2万3000円とかの国内ブランドもあるのでその価格帯よりも下。
 今のお客様はすごくよくご存じなので反応されるわけです。」
もうひとつのカギが空間。
驚いたのが売り場の中心ともいえるエスカレーター周辺。
2階の婦人服売り場はエスカレーターまわりから商品をなくし大きなスペースを確保しジューススタンドなどを作った。
(大西洋社長)
「常に前に出て新しいことをやってもらいたいと言うお客様からの期待感がすごくある。」
売り場の常識を変える空間づくり。
ジューススタンドの出現で売り場面積は12%減ったが売り上げは12%増えた。
(大西洋社長)
「商品量を減らして客の導線を全部変えましたので
 今までは長方形の建物の隅はお客様がなかなか行きづらかった。
 それも全部デザイナーがうまく回れるように考えた。
 回遊性がすごく上がった。
 百貨店のフロアのあるべき姿とかあり方をかなりチェンジしました。」
人口の減少や消費の多様化などで売り上げが伸び悩むデパート業界。
大西社長はそうした厳しい現実を見据えながらあらためてデパートの魅力を取り戻したいと言う。
(大西洋社長)
「小売業の全体の売り上げの130~140兆円のなかでデパートは6兆円。
 小売業全体の中の4~5%の業態であるということをもう一度認識して
 全部やろうとするからみんな一緒になってしまうので
 全体の5%の業態というところを常に意識しながら
 店づくりとお客様に接していくと言うことがキーかなと思います。」
「販売と商品と環境空間というものに今はこだわって
 百貨店の新しいビジネスモデルを作っていくということに取り組んでいるところ。
 “新しいものがある”とか“あそこに行けば何か発見ができる”とか“ここにしかない”とかバリューをさらに上げていかないと
 今の状態が長く続くとは思っておりませんので
 お客様からの期待値は非常に高いと認識しております。」

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