7月6日 BIA*SUNDAY
東京上野 国立西洋美術館。
セザンヌ作「リンゴとオレンジ」。
モネ作「水連」。
これらの名画のフルカラータオルはこれまで1000枚以上売り上げていて
その多くは部屋に飾るためだということである。
(販売員 染谷和子さん)
「飾ってきれいだということでお買いもとめいただいている。
プレゼントとして差し上げたり額装する方もいる。」
このタオルを生み出したのは愛媛県今治市のタオルメーカー。
高品質を歌い続ける今治ブランドを守り続ける創業95年の老舗である。
年間9000枚以上のフルカラータオルを生産している。
藤高5代目社長 藤高豊文さん。
このタオルが生まれたきっかけは絵のように複雑な色合いのタオルケットを作ってほしいと言われたことだった。
ところが当時の技術ではシンプルな図柄を表現するのが精いっぱい。
複雑な色彩には対応できないといったんお断りした。
(藤高 藤高豊文社長)
「できるだけ注文に沿うのがメーカーの使命。
これは無理ですよと言うのはメーカーとして恥ずかしい。」
なんとか注文に応えたいと藤高社長は新しい技術の開発に乗り出した。
タオルの色彩はパイルと呼ばれる細かい糸の輪によって決まる。
そこで複雑な色彩の変化をパイルの色の使い分けで表現しようとコンピューターを使って色の組み合わせ方を研究した。
開発されたノウハウは特許として認められた。
インテリアとしてフルカラータオルを飾る人たちの間では奥行きのある色合いが人気を集めている。
(吉田有貴子さん)
「ふわっといろんな表情を見せてくれるところが気に入っている。
すばらしいひとつの作品だと思う。」
難しい注文をきっかけに生まれたフルカラータオル。
新しいニーズを掘り起こしている。
(藤高 藤高豊文社長)
「生活も多様化していますしニーズも多様化している。
お客様ごとに違う。
一つ一つに応えていくことが大事。」