4月2日 おはよう日本
企業の研修で講師をしている原良恵さんは
どうしたら受講生の心をとらえる授業をできるようになるのか悩んでいた。
(原良恵さん)
「みんなにうまく伝わっていないなということがあって
もう少し工夫のしようがあると思いまして。」
人前でいかに魅力的に話をするのか
その方法を探すなか意外なところにそれを教えてくれる講座があると知った。
ベンチャー企業が大手芸能プロダクションと手を組んで開いているプレゼンテーションの特訓。
生放送なら無料で見られるオンライン講座である。
たとえば聞く人の心をつかむテクニック。
わざと間違えることで話題を誘い話に引き寄せる。
原さんにとってはまさにぴったりの講座だった。
(原良恵さん)
「前振りがいいことで本当に引き込まれる。
無料で解放してくれて
いいものを見つけたと思いました。」
ここ数年こうしたオンライン講座のサイトが次々に立ち上がり利用者を伸ばしている。
東大や京大など有名大学の最先端講座が無料で受けられるサイトでは
立ち上がって1年で利用者が約28万人。
アメリカ人の講師による英会話の授業に
コンビニで買える食材を使った料理教室まで
生放送なら無料で見られるオンライン講座のサイトの利用者は約15万人になった。
ビジネスモデルとしても注目を集めいる。
生放送のオンライン講座を扱うベンチャー企業では録画したすべての講座を月980円で提供。
さらに会員が何をどれくらい学習したのか
そのデータもビジネスに生かせないかと研究している。
(ベンチャー企業 森健志郎社長)
「学びたいけど学べなかった課題はもっとたくさんあるんじゃないかと。
そこを解決すればすごい産業になる。
そういう風に世の中を変えていきたいと思う。」
急速に広がる無料オンライン講座。
生活を少しでも良くするために始めた人がいる。
銀行のコールセンターで派遣社員として働く男性。
現在の時給は1,500円だが1種証券外務員の資格があれば1,750円。
月4万円の収入アップが見込めるという。
仕事に行く前の3時間
資格専門の無料オンライン講座で勉強するようになっている。
(男性)
「学校に通うにしても時間的にも金銭的にもきついので
これだったらできそうかなと思って
少しでも楽な生活ができればいいかなと。」
さまざまなオンライン講座を試すなか意外な形で自分を再発見したという人がいる。
大学卒業後国家公務員として働いていた林佑樹さん。
勤め始めて3年目
仕事は徐々におぼえてきたものの本当にこれで良かったのか思い悩むようになってきた。
(林佑樹さん)
「大学時代思い描いていた自分ってこんなんだっけって振り返る機会が多かった。」
そんななか生放送なら無料で見られるオンライン講座の存在を知った。
ベンチャー企業の作り方を教えてくれるものやマーケティングの講座など
興味がわいたものを片っ端からのぞき始めるようになった。
その数は160以上。
その中の1つが林さんの人生に大きくかかわるようになった。
“イマドキの大学生は何に悩んでいるか”
社会とのかかわりを模索する林さんの興味を引くタイトルだった。
企業の人事担当者をターゲットにしたもので
今の大学生がどんな悩みを抱えていてどう接したらいいかを教えてくれるというこの講座。
やりたいことが見つからないというあなた
まず自分ができることが自分のやりたいことであるという幻想を捨ててもらうこと
林さんは図らずも大学生に向けた講師の訴えに心を動かされた。
今している仕事は自分にはできるが
やりたいことではない
ということに気づかされたのである。
やりたいことを見つけて達成していけるようにしてきたい
当時林さんはレポートにこう記していた。
自分がやりたいのは人の成長を見守る仕事だと気付いた林さん。
去年の暮 公務員の仕事を辞めた。
そして海外の人たちと連携してキャリア教育のプログラムを開発するNPOに転職した。
いま林さんは新しい職場で生かせないかと週に1回無料で英会話を学べるオンライン講座に取り組んでいる。
(林佑樹さん)
「オンライン講座は自分探しの一歩だったと思う。
これからは自分探しじゃなくて
自分自身をしっかり見つめることができたらと思う。」
長い海外生活のため航行にも通えずほぼ独学で東大経済学部の教授になった柳川範之さん。
いわば“独学の達人”である。
柳川教授は無料オンライン講座が広がったおかげで
誰でも簡単に独学ができるようになったとみている。
(東京大学経済学部 柳川範之教授)
「三日坊主で終わると
なんか駄目だな真面目にできなかったと思うじゃないですか。
三日坊主でもそれでも1回やってみる
まずはやってみる
とりあえず進んでみるということが大事だとするとやっぱり手軽に手を出してみて
うまくいかなければまた別のネット情報を手に入れればいいと。
それでいいと
それで回していくことに大きな意義があるんだろうと思う。」