4月11日 おはよう日本
人形浄瑠璃 文楽。
300年を超える歴史があり
ユネスコの無形文化遺産にも登録されている。
高層ビル群の中に突如現れたのは人形浄瑠璃文楽の檜舞台。
3月21日に東京港区の六本木ヒルズで野外公演が行われた。
六本木で文楽が上演されるのは今回が初めてである。
4日間の公演は連日盛況で若者や外国人の姿も見られた。
にぎやかな音に誘われて覗き見る人の姿も見られた。
文楽は1体の人形を3人で動かす。
顔にも表情を持たせ細かな感情を表現する。
300年の伝統の中で培われてきた技術である。
(見物客)
「もっとこういう上演を増やしてくれれば親しみやすいので
ぜひまた来たい。」
(外国人見物客)
「日本の伝統と現代的な場所との組み合わせが新鮮で興味深かった。」
今回用意されたのは1日半で設営できる組み立て式の仮設舞台。
文楽は普段屋内の劇場やホールで上演するが
人が集まる場所に出向いて行こうと新しく用意された。
初めてのお披露目に選ばれたのが若者や外国人が集まる六本木である。
東京出身の人形遣い 豊松清十郎さん。
文楽の世界に飛び込んで40年以上
劇場を離れた大規模な野外公演はこれが初めてである。
馴染みのない人にも文楽を気軽に観てもらえる野外での舞台に期待を寄せている。
(豊松清十郎さん)
「表を歩く人にも音が聞こえるので立ち止まってご覧いただく人もいる。
そういう点でも文楽の宣伝にすごくなる。」
打って変わって
コンピューターによって合成された歌声 ボーカロイドに合わせて
スクリーン上で文楽の人形が躍る映像作品。
東京の会社が制作したこの作品は古典的な物語をハイテク技術を駆使して現代風にアレンジした。
若者に受け入れられやすいジャンルに進出することで
伝統文化に親しみを感じてもらおうという狙いである。
去年から各地の映画館で上映され
文楽に興味を持つ若者も少しずつ増えている。
(豊松清十郎さん)
「こういう試みをどんどん続けていき文楽をまず知っていただく。
知っていただいた後で本格的なものをご覧いただけるようになったらいいと思う。」
観客を待つだけでなく
劇場を飛び出す文楽へ。
300年の歴史を守り続けるための新たな挑戦である。
組み立て式の舞台を使った公演は今後年に2回
東京と大阪を中心に行われる予定である。