4月18日 おはよう日本
ネパールで1000年以上前から続く伝統の舞チャルヤー・ヌリテャ。
サンスクリット語でチャルヤーは修行
ヌリテャは舞。
舞うことで自らを仏と一体化させ
悟りに近づく修行の1つとされている。
ネパールの首都カトマンズ。
仏教建築物が数多く残る仏教都市である。
世界文化遺産に登録されているものも多くある。
密教の僧侶階級に属する人たちの修行の1つが伝統の舞チャルヤー・ヌリテャである。
その舞は長い間門外不出とされ寺院の中でのみ踊られてきた。
しかし厳格な修行に励む人たちが少なくなり正当な継承者が激減。
伝統の舞を守ろうと60年ほど前にやむなく教えを一般に公開した。
しかし担い手は増えず
今では存続の危機とまで言われている。
そんな中この舞を継承しようという日本人がいる。
日本の大学でネパール語や文化を教えている岡本有子さん。
18年前から毎年のようにネパールを訪れ数千種類あると言われる舞の習得に努めている。
(岡本有子さん)
「気づいた人たちがやらないと伝統の舞は消滅・先細りしてしまう。」
幼いころからモダンバレエを習い踊ることが好きだった岡本さん。
大学生のとき海外で民族舞踊を見てその伝統に大きな魅力を感じた。
そんななかネパールである人物に出会う。
それがチャルヤー・ヌリテャの第1人者として知られていたラトナカジさん。
岡本さん人に見せるためではなく修行ののために踊る舞に感銘を受けた。
日本人として初めて弟子入りし
4年間現地に滞在して学んだ。
ラトナカジさんが亡くなってからは息子のプラジョワールさんに指導を受けている。
プラジョワールさんにとっても岡本さんの存在は伝統を守っていくために欠かせないと言う。
(プラジョワールさん)
「岡本さんは踊りに自らをささげています。
細やかな動きまで習得していますし私たちと同じように学んでいます。
彼女なら伝統を受け継いでくれるでしょう。」
修行を続けて18年。
岡本さんはネパールの国立劇場での公演に挑んだ。
有力な僧侶階級の人たちの前で初めて舞を披露する。
会場には多くの関係者が集まった。
自らの舞を認めてもらう大切な舞台。
岡本さんは何度も何度も動きを確認する。
岡本さんが披露したのはナイラートマと呼ばれる女性行者の舞。
初めて人前で踊り高く評価された思い出深い舞である。
歌に合わせてひとつひとつの動きに集中して踊る。
舞台が終わると観客は岡本さんの舞の素晴らしさを称えてくれた。
「岡本さんの舞はとても良かったです。
我々の文化を世界に広めてくれるのは素晴らしいことだと思います。」
(岡本有子さん)
「チャルヤーを守っていこうと心を込めて行ったステージなので
その気持ちが古くからの方々にも通じて今日やった意味はすごく大きかった。」
ネパール伝統の舞チャルヤー・・ヌリテャ。
その魅力を伝える岡本さんの活動はこれからも続く。