4月21日 おはよう日本
13日からアメリカで開かれた世界最大規模の宇宙ビジネスの展示会。
世界165の企業などが出展した。
中でも注目を集めたのがアメリカのベンチャー企業XCOR社が開発した宇宙船。
この会社が目指している宇宙旅行は
地上から打ち上げられた宇宙船は高度100キロで宇宙空間に達する。
無重力の状態を5分間体験。
その後地球に戻る。
この宇宙旅行は早ければ来年にも始まる。
日本円で約1,100万円。
すでに300人が申込みをしている。
(XCOR 創設者 ジェフ・グリソンさん)
「宇宙旅行はよりエキサイティングで楽しめる。
肉体的にもそこまでの負担はない。」
とはいえ宇宙旅行はまだまだ手が届かない。
もっと安くいける可能性も出てきている。
最大7人乗りの宇宙船「ドリームチェイサー」はロケットの先端に取り付け打ち上げられる。
通常 宇宙船は1回しか使えないが
耐久性を高めたこの宇宙船は25回以上使うことができコストを下げることができる。
(シエラネバダ 副社長 マーク・シランジェロさん)
「IT産業が急成長した時と似ている。
宇宙旅行も増えるし宇宙船も増える。
それに伴い科学技術も発展する。」
加速する宇宙ビジネス。
展示会にはこのチャンスをとらえようという日本企業の姿もあった。
東京にある東成エレクトロビーム社長 上野邦香さん。
上野さんの会社の技術は小惑星探査機「はやぶさ2」に用いられている。
使われているのは小惑星の外部の石や砂を採取するために惑星の表面に銅の弾丸を高速でぶつける
インパクタという装置である。
装置はステンレスと発射する銅をつなぎ合わせてできたもの。
この2つをつなぐ溶接する技術が世界のどの企業にも真似できない
この会社独自の技なのである。
それを生み出しているのは職人たちである。
溶ける温度が異なる2つの金属を均一に溶接するために
半年にわたって100回以上の実験を繰り返しようやく完成にこぎつけた。
(東成エレクトロビーム社長 上野邦香さん)
「とにかく『できない』と言わない。
『こうすればできる』というそれを何年も時間をかけてやっていくのが我々の強みであると思うので。」
この技術が今回の展示会で大きな関心を集めた。
上野さんは大手航空機メーカーの幹部と連絡先を交換するなど
手ごたえを感じていた。
(東成エレクトロビーム社長 上野邦香さん)
「アメリカではできなくて日本にしかできないものがこの宇宙市場にもあれば
我々の技術を評価してくれる方がいることはチャンスにつながると思うので。」
日本がそして世界が競い合い進化する宇宙ビジネス。
新しい時代を切り開く技術が生まれようとしている。