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モンゴルの大気汚染改善へ 注目集める日本の中小企業

2015-05-13 07:30:00 | 報道/ニュース

4月28日 おはよう日本


WHO世界保健機関の調査によると
世界最悪濃度の汚染が観測されているのがモンゴルの首都ウランバートルである。
この解決に向けてモンゴルが国を挙げて注目しているのが金沢市の中小企業の技術である。

人口の半分に当たる130万人が暮らすウランバートル。
ここ数年 世界最悪レベルの大気汚染に悩まされている。
「服に煙の臭いが付くし煙で胸が苦しくなることがあるよ。」
汚染の最大の原因は石炭である。
路上では1袋100円程度で売られ簡単に手に入る。
この石炭を最も多く消費しているのがゲルで暮らす人たち。
モンゴルの冬は氷点下20度を下回る日も多く
電気やガスの通っていないゲルで暮らす人たちは
ストーブで部屋を暖めるため石炭を燃やし続ける。
「冬は寒いので石炭がないと大変ですよ。」
経済が成長するにつれウランバートルには
遊牧民をやめ仕事を求めて移住してくる人々が急増。
今では市の人口の4割に達している。
ほとんどが市の郊外にゲルを建てて生活。
このゲルから出る有毒ガスを含んだ石炭の煙が
大気汚染の原因の6割以上を占めているのである。
大気汚染による健康被害は深刻化している。
(医師)
「大気汚染がひどくなるにつれてぜんそくの症状を訴える人たちが増えています。」
石炭の煙をなんとか減らせないか。
その解決策は海を越え
日本の中小企業に託された。
金沢市にあるエコ技術の開発メーカー 明和工業。
社員50人を束ねる 北野滋社長。
この会社は
水分を多く含む生ごみや汚泥を有毒ガスがほとんど出ない燃料の炭に変える
国内でも数少ないリサイクル技術を持っている。
パイナップルを装置にかけると
みずみずしいパイナップルも中まで炭になっている。
一昨年この技術を知ったモンゴル政府から
煙の出ない石炭を開発してほしいと相談を受けた。
そこで北野さんは加熱する温度や時間を変えて20回以上試験を繰り返し
新たな技術を開発した。
その仕組みは
500度に熱した酸素のない装置の中に石炭を入れる。
そして煙を出す原因となる水分を蒸発させる。
さらに石炭の中に含まれていたガスも取り除く。
これは燃料として再利用する。
こうして不純物を取り除いて完成である。
モンゴルの石炭と比べて着火してみると
モンゴルの石炭からは黙々と白い煙が出てくるのに対し
新しくできた石炭からは煙がほとんど出なかった。
(北野滋社長)
「ほぼ完ぺきだと思っています。
 モンゴルの人たちも納得してくれるはず。」
3月 北野さんは新たに開発した石炭を携えウランバートルを訪れた。
新しい石炭の開発に成功したことを報告するため
鉱山を管轄するモンゴルの鉱業省の大臣と面会した。
(北野滋社長)
「次の冬までにはこの装置を導入してウランバートルの大気汚染を減らしたい。」
(モンゴル鉱業省 ジグジド大臣)
「新しい石炭の開発に成功し持ってきてくれて大変ありがたい。
 この石炭を大量に生産し
 大気汚染の問題を抱えるモンゴル全域に供給したい。」
(北野滋社長)
「早く結果を出して解決への道を切り開いていく。
 強い気持で臨んでいく。」
モンゴルの生活には欠かせない石炭。
その煙から人々を救う救世主となれるのか。
企業の挑戦は続く。


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