5月14日 キャッチ!
BRICSの識字率(2005-2010年 ユネスコ出典)
ブラジル 90%
ロシア 100%
インド 63%
中国 94%
南アフリカ 89%
インドは2011年に74%という改定値を発表するが新興国の中では比較的低い数字である。
(学習研究科 コタリさん)
「インド人を団結させるものと言えば
クリケットとボリーウッド映画です。」
コタリさんは映画には団結力だけでなく人を変える力もあると言う。
ただしそれは彼が字幕を付けた特別な映画である。
字幕は単にカラオケ用のものではない。
文字の読み方を教えるのに効果的なツールになっている。
「私たちがつくったのは自然に文字を読ませる仕組みです。
観ている人は歌と文字を無意識にマッチさせるのです。」
コタリさんは複数の村を対象に研究をしている。
字幕が読む力に与える影響について15年以上も調査している。
農家のタコルさんは字幕付きの歌番組の効果はてきめんだと言う。
字幕のおかげで新聞に書いてある卸売価格が読めるようになり
もう市場でだまされることはないと言う。
(農家 タコルさん)
「コメの値段は295ルピーか。
ちゃんと読めるよ。
綿を売るときは新聞で値段をチェックするようにしているから適正ならうれしい。
そうじゃなかったら売らないよ。
情報が手に入るというのは有利だね。」
コタリさんがこの仕組みを思いついたのはアメリカの大学でスペイン語を勉強していた時だった。
(学習研究科 コタリさん)
「アメリカで勉強している時たまたまスペインの映画を観たんです。
映画には英語の字幕が付いていました。
その時にひらめいたんです。
スペイン語の映画にスペイン語の字幕をつければ言葉の勉強に役立つとね。
だからヒンディー語の音楽映像にヒンディー語の字幕をつければ
インドの識字率も向上するに違いないと思いついたんです。」
実際に字幕が読む力を向上するか確かめる実験をした。
字幕付き番組を見る子と
字幕なしの子
全く見ない子のグループである。
6か月後 字幕付きグループの読む力が他よりも優れているという結果が出た。
字を読めない人が自信を持って読めるようになるまでには3~5年かかる。
コタリさんのアイデアは注目を集め
インド各地で毎月10本の歌番組が字幕付きで放送されるようになった。
今では視聴者数は2億人である。
(学習研究科 コタリさん)
「インド公共放送もこの効果を認め全国規模の拡大に合意しました。
私たちは少なくとも毎月50本インドの各言語による字幕付き放送を提案しています。
ちょっとしたアイデアで10億人が字の読み方を覚えてもらえて満足していますが
実はもっと大きな夢があります。
インドで文字が読めるようになるのは10億人ですが
アフリカやパキスタンやバングラデシュでも同じことが出来ます。
彼らはみんなインド風の音楽ビデオを見ています。
それにも字幕をつければいいんです。
今は10億人ですがあと10年経てばさらに20億人が文字を読めるようになると思います。」