6月6日 おはよう日本
都市対抗野球など何度も日本一に輝いてきた日本生命野球部。
今年から練習に取り入れているのが長打用のスタンド。
その名も サクゴエである。
理想的な打撃フォームが身につくというのである。
これまではバットがスタンドの先端部分に当たるため
気になってフォームが崩れがちになっていた。
しかし新型のスタンドは先端部分が前に飛び出す仕掛けのため
長打になりやすいボールの下を思い切り振り抜ける。
(日本生命野球部 皆川仁選手)
「これまでのスタンドは意識的にの上をたたいてしまうんですけど
新型だったらお構いなしに関係なく打てるので気持ちいい。
さらに
空気を吸い込みボールを吸着させるタイプのスタンドは
抵抗が少なく
ボールだけを打つ感覚で練習できる優れものである。
ユニークな用具を開発したのは 弓場直樹さん(42)。
2月の発売以来たくさんの注文が舞い込む状況に驚いている。
(弓場直樹さん)
「社奇人・プロとなると夢の目標だったので
夢をかなえる一歩を踏めたかな。」
弓場さんは小学生のころからずっと野球を続けてきた。
今は奈良県の社会人野球チームの代表も務めるほど熱い情熱を持っている。
しかし野球用具開発のきっかけは意外な出来事だった。
もともと弓場さんはリフォームなどを請け負う工務店を経営していた。
ところが2016年
腎臓を悪くし入院。
さらにリフォーム業界の競争激化などで工務店を廃業するという人生のどん底を味わった。
(弓場直樹さん)
「いろいろなものが無くなっていくから
つらいし
どうしていいかわからへんし
精神的にはもう情緒不安定。」
そんなとき住む部屋を無料で貸してくれたのが大阪で町工場を営む友人だった。
なにか面白いことで恩返ししたいと弓場さんは町工場仲間ともの作りに挑むことにしたのである。
そこで思いついたのがずっと続けていた野球のティースタンドの改良だった。
(弓場直樹さん)
「今でもそんなことやってるのって。
20年30年経っているのに変わってないことに気づいて
ある種チャンスかなと。」
金属加工や精密機械の工場の専門家と知恵を出し合い
素材や形を検討。
10種類以上の試作品を経てようやく完成したのがあのスタンドだった。
今の目標は
用具をプロから子どもまで誰でも使えるようにすること。
弓場さんの開発の日々はこれからも続く。
(弓場直樹さん)
「これをやるためにずっと野球をやって来たと言っても過言ではない。
熱が冷めない限り
作り続けて考え続けていくと思います。」